表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祈唄  作者:
第1章:出会い
45/71

45.過去

 「………………は?」

 妹の振りをして女装していた、その言葉に加納は言葉を失ってしまう。

 優一は、当然の反応だと思いながら苦笑する。

 「俺、実は双子だったんですよ」

 「だったって事は、妹さんは……」

 「生まれた時に亡くなったそうです。それからおかしくなっちゃったんです、母親」

 おかしくなってしまったという表現からするに精神的に病んだということが予測された。

 「気づいた時には、女の子の格好したりしてておかしいなとは思ったけどそれをすることで何とか母親の正気を保つことが出来てたんです」

 

 物心ついた時には、妹を演じることが当たり前になっていた。小さい頃からだったので別に普通のことだと思っていた。

 けど、どんどんと大きくなるにつれて、自分の家の異質さに気が付き始める。

 自我が成長すれば、当然こんなことやりたくなくなる。でも、妹の振りをするとあの人は嬉しそうに抱きしめてくれた。

 もちろん、毎日こんなことをしていた訳ではない。

 妹の振りをするのは、母の精神が不安定な時だけ。まともな時は、ちゃんと妹の死を認識していて、妹の分も生きなければならないと厳しく躾られた。


 こんなことは長くは続かない、そんなことくらい自分も周囲の人間もよく分かっていた。

 そして、中3になった辺りからどんどんと背が伸び始める。元々、両親も長身だったためそれは仕方のないことだったのかもしれない。

 多分、背ぐらいだったらなんとか誤魔化せただろう。でも、普通男女の体つきの差はこの頃から出るわけで、女の子の丸い体の線を男の自分が出せるはずもない。

 

 これからどうするか真剣に考えていた時、事態は急変する。

 母親と食事に出た先で同級生と遭遇するという最悪な事態が起きたのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ