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祈唄  作者:
第1章:出会い
44/71

44.告白

 (俺はどうしたんだろう。こんなにべらべらしゃべって………)

 優一は、自分の行動についていけないでいた。初めて会った人間、それもどう見ても相談事を持ちかける人物に相応しくないのに。

 「こんな立派な所に住んで、学校まで行かせてもらってるのに捨てられてるって思うのか?」

 「そうですね、恵まれてます。でも、金銭的に恵まれていても精神的にはすごく貧しいです」

 父親と面と向かって話す機会は、年に数回あればいいほうだ。母親は……。

 「立木っていうと、あの立木か?」

 加納は、地元でも有名な資産家の家を思い出す。

 「そうです。一応、跡取りです」

 「ふーん、そういや何で一人暮らしなんかしてんだ?」

 「自宅から学校が遠いんです」

 その答えに何かあると加納は感じ取る。一応、職業柄なのかカンは鋭いほうだ。

 「本当にそれだけか?」

 優一と視線を合わせじっと見つめる。すると、優一の視線が泳ぎ出した。

 「………俺、中学に入って急激に背が伸びたんです」

 突然、意味不明なことを語り出した優一に、加納は「そうなのか」とだけ返す。

 「俺、どっちかというと女顔じゃないですか。だから、背が伸びるまでは平気だったんです、家にいても」

 「何だ、天井の低い家だったのか?」

 加納はわざと冗談を言ってみたが、優一の反応は無かった。

 「背が伸びるまでは、出来たんですよ」

 「何が?」

 「女装をして妹の振りをすることが」

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