41.葛藤
いつの間にか優一と加納の間で話がまとまってしまい、加納の車で優一のマンションへと向かった。
「地下の駐車場に行って下さい。一応、うちの駐車スペースがあるので」
「はいよ」
助手席に座り、てきぱきと指示を出す優一とその指示通りに動く加納を後部座席からうらめしそうにユウは見つめる。
(こんなことなら、ファミレスに居れば良かった)
優一が自分の為に宿泊を勧めてくれたことには感謝するが、こんな結果になるなら断ればよかったとユウは思う。
「21番に泊めてください」
ぐるぐると考えんでいる間に駐車は終わっていた。
「さぁ、ついたぞ。ユウ、気に入らないのは分かるがそう眉をしかめてばかりいると皺になるぞ」
「うっさい」
「ユウ。確かにこの人の言うことには一理ある。何だったら今から家に帰る? 俺、送っていくけど」
心配そうにのぞき込んで来る優一の顔と何より家に帰りたくないという気持ちが勝り、ユウは大きくため息をつき諦める。
「帰らない。お世話になります」
「分かった」
自分でもどうしてここまで意固持になってしまうのか分からない。
ただ、気に入らない。何もかもが。
自分に誰かを重ねる玲と周囲の人間達が。
私は私であって、他の誰でもない。
この気持ちをぶつけたら何か変わるのだろうか。
でも、私の気持ちを知ったらきっと玲は、私から離れていく。そんな気がしてならない、何故だか分からないけど。
新年、一回目の更新です。
今年もよろしくお願いします。




