34.ファミレス
留守電を聞き終わった後、リビングでボーっとしていた優一は、大きな音をたてて鳴った腹の音でもう日が暮れて夜になっていたことに気が付く。
「腹へったなぁ。げっ、もう9時じゃん」
壁にかかった時計を見て、ゆうに3時間以上がたっていたことが分かる。
とにかく何か食べようと冷蔵庫まで向い扉を開けてみる。
しかし、冷蔵庫の中にあるのは何本かのペットボトルのみ。
そういえば帰りに食材の補充をしようと決めていたことを思い出す。
――――仕方ない、外に食いに行くか。
優一は、ジーンズとシャツに着替えると財布と携帯を持って部屋を出る。
正直、腹にたまれば何でもよかったので昨日呼び出されたファミレスに行くことにした。
店内に入るとけっこう込み合っていた。
人の多さに一瞬、帰ろうかと思ったが面倒くさいのでやめた。
そして空いている席に向かおうとした時、店内の隅にある席に見知った顔を見つける。
(ユウ? 何やってんだ、あいつ)
ユウは一人席に座って携帯を手に心ここにあらずといった感じでボーっとしている。
いつもは人当りの良い笑みを浮かべているのに、一人でいる為か無表情でどこか冷めた顔をしている。
「何してんだ?」
優一が声をかけると、一瞬だけ驚いた表情をしたがすぐさっきと同じような顔に戻る。
「ここいいか?」
「………好きにすれば」
かすれた声でそれだけ言うと黙りこんでしまう。
そっけない対応に首をかしげるが、まぁ機嫌が悪いのだろうと判断しユウの向いに座り、注文を手早く済ませる。
よくよく見るとユウの目もとは腫れているようだ。
(泣いていたのか?)
それからユウは、優一とは一切目を合わせず言葉も発しなかった。




