33.絆
気がついたら、空は赤く染まっていた。
ユウは鏡を取り出し顔を写す。
「げ…」
案の定自分の目は、腫れている。誰が見ても泣いていたと丸わかりだ。
こんな顔を玲に見せるわけにはいかない。
――――だからあの部屋には帰れない。
でも、自分の帰れる場所はあそこしかなくて、さぁどうしようか。
ユウの口から漏れるのはため息だけ。
泊めてくれそうな人を思い浮かべるがもちろんそんな人はいるわけがない。あの2人には頼めるわけないし。
結局、ファミレスしか思いつかない。
「すみっこにいれば平気かな」
とりあえず、玲の携帯にメールを送りユウは立ち上がった。
公園の出口で親子連れとすれちがう。
小さな女の子と母親の手はしっかりとつながれていて、それは誰にも断ち切れない絆のようでうらやましかった。
私が欲しいのは一つだけ。決して無くなることのない絆。
生まれた時に与えられる絆は無かったから、絆を持ったら自分の中の何かが埋まって変われるかもしれないとい思った。
自分とどこか似た人。抱えている寂しさや悲しみ、そして人を信じたいと思いながらも信じきれないジレンマを持っている人。
だからこそ、私は玲と一緒にいたい。絆を持ちたいのだろう。
もしかしたらこれは恋とは違うのかもしれない。
でも、ずっと一緒にいたいという気持ちだけは本当だから。
だから、私は玲の側で唄っていよう。互いに欲するものを手にするその日まで。




