3.ユウ
1人ぼっちだった、彼に会うまで。
「お疲れ様です」
「あっ、ユウちゃん。これ持っていきな」
「ありがとうございます」
ユウは、店長から余り物を受け取ると挨拶をして店を出る。
彼女は、今年18になる少女だ。中学を卒業してから幾つもバイトを掛け持ちし、お金を貯めている。大学に行く為に。
ユウには、家族がいない。赤ん坊の頃、孤児院の前に捨てられていた。
5歳の頃、養父母に引き取られたが、高校入学前に2人は事故死してしまった。
それからは、1人で暮らした。あの人に会うまで。
彼は、何の前触れなく現れた。
それは16歳になった、冬のある日のことだった。
アパートの扉を叩く音がしたので扉を開けるとそこには見知らぬ若い男が立っていた。
「どちらさまですか?」
「お前がユウか?」
「そうですけど」
その人は、背が高くシャレたスーツを着こなした年上の人。
(………ホストみたい)
「俺の名前は、玲。今日からお前の後見人だ」
「は?」
目が点になるというのはこういうことを言うのかもしれない。
「荷物をまとめろ」
何故かその言葉に逆らえなくてそのまま玲と同居することになった。
生活費や学費は気にしなくていいと言われたけどそうもいかない。
なので通信制に通いながら学費を貯めることにしたのだ。
何故彼と一緒にいることにしたのか、思い返してみる。
多分、同じ思いを抱えていると思った。大事な人を亡くした絶望と孤独を。
だから、自然と寄り添い会えたのだ。
でも、玲の傷はもっと深かった。
人の愛を信じられないくらいに。




