27.ダメな大人達
学校へ向かう2人と別れたユウは、最初の角を曲がり身を隠す。
(何やってんだろ、私…)
溜め息をつき2人の姿が消えるのを待つ。
そんな自分を通勤、通学の人々が奇異の目で見ている。
「本当に何やってるんだろ、私」
ユウは、2人の姿が消えるとダッシュで自宅へと駆け戻ったのだった。
「ただいま」
多分、玲は仕事でいないだろうけど一応声をかける。
2人で暮らし始めてから作ったルールの一つ。
帰宅したら声を掛け合うべし。
リビングのドアを開けるなり、プーンと鼻につく匂いがする。
ユウの眉間に皺がよった。
(まさか、また?)
急いでリビングに足を踏み入れると予想通りの光景が広がっていた。
テーブルや床にこれでもかと転がるビールの缶や様々お酒の空瓶の山。
そして同じように転がる3人の男女。
(この、ダメダメ野郎共が!!)
ユウの怒りは、一気に頂点まで跳ね上がった。
ドスドスドス。
怒りにまかせ足音を響かせてリビングの窓まで行くとカーテンを引っ張る。
「起きなさ〜い、3人共!!」
降り注いだ光に耐え切れず、窓側にいた男が起き上がる。
「……よお、お帰り。不良娘」
そう言うなり男はユウに抱きつき頬ずりする。
「離してよ、この酔っ払い。離せ!」
ユウは、男の鳩尾に一発いれる。
「うっ」
「な〜に〜、うるさいわよ。……きゃあ〜お帰りユウちゃん」
今度は、女がユウに抱きついてくる。
「だから、酒臭いってば!!」
さすがに女の腹を殴るわけにはいかず、手足をばつかせるがびくともしない。
暴れ疲れたその時、今度は、後ろから抱きついてくる新たな人物がいた。
「お帰り、ユウ」
耳元でいきなり囁かれたせいで一気に体温が上昇するのが分かる。
「ただいま、玲。……てか離してよ、2人とも。本当に重いから」
きっと2人から匂うお酒のせいだ。こんなに顔が熱いのは。
このダメダメな大人達は、玲、玲の元彼女の萩原菜月そして玲の悪友の加納拓真という。
どこがダメって、それは大酒飲みで生活能力が皆無ってところ。
1日留守にしたくらいでこの有り様、片付けるのは私なのに。
少し息抜きに軽いノリで書いてみました。
ユウサイドの主要な人物達です。




