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祈唄  作者:
第1章:出会い
25/71

25.あの人

 優一に連れられ向かったマンションに着いてユウは唖然としてしまう。

 (マジですか!? お向かいさんだなんて…)

 そう優一の住むマンションの道を挟んだ正面に建っているのが自分が居候しているマンションだった。

 何だろ、今日って厄日?

 ユウは、2人に気づかれないようにため息をつく。

 (……すごく疲れたよ、今日は)

 部屋に入ってからも2人の会話に適当に相槌を打つ。

 でも助かったかも。あの人が来てるならどっちにしても外に出ないといけないし。


 あの人。玲の元婚約者で仕事のパートナーでもある人。

 優しくてサバサバしててキラキラしてる人。

 あの人と一緒にいると自分の汚いドロドロした所が表に引きずり出される。

 はっきり言って、私は嫌い。


 布団に入ってからもそんな事を考えてたら眠れなくなってしまった。

 隣を見ると杏奈があどけない顔をしながら気持ち良さそうに眠っている。

 「のんきに寝ちゃって……」

 ユウは、そっと起き上がり部屋を出るとリビングへと向かった。

 ベランダからはユウ達が住むマンションがよく見える。

 気づいたら、窓を開けてベランダに出ていた。 自分が住んでいる部屋の窓を見ると当然のことながら明かりは消えている。

 ユウは、カントリーロードを口ずさんでいた。

 故郷を思う歌。自分には無縁な曲。一度は、家を得たけど結局は、失った。

 今度の家だっていつ失うともかぎらない。

 

 最後まで歌うといきなり拍手がした。

 振り返ると大きめのシルエットが見えた。

 「え? 優君?」

 「悪い。お前、歌うまいのな」

 「そうでもないよ。でも、ありがとう」

 優一からの賛辞に普通に返答すると、気にしたみたいで。

 「お世辞じゃないぞ。耳に残る印象的な声だと思う」

 ムキになって更にほめてくれた。

 ユウは思わず笑ってしまう。

 (ありがとう、優君。助かったよ色んな意味で)



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