16.白木 優華
目の前の少女から自分の隣に座っていいかと問われ、了承の意を伝えると少女は、ニッコリ笑って座った。
その時ほのかに柑橘系のフレグランスが香る。
爽やかなその香りは、彼女によく似合った。
「ユウ君、彼女が従姉妹のユウ。ユウ、友達の立木 優一君。あたしの追試の先生してくれたの〜」
杏奈の暢気な言葉にユウと呼ばれた少女は苦笑する。
「私は白木 優華。君とはタメ、よろしくね、優君?」
「立木 優一です。よろしく」
自己紹介をしながら、ユウを横目で観察する。
自分と同じ薄茶色の髪に少し外国の血が入った顔立ち。
見れば見るほど、そっくりだった、母さんに。
決して自分を見ようとしないあの人に。
「私の顔、何かついてる?」
気づかれないように見ていたつもりだがバレバレだったらしい。
「いっ、いえ何でもないです」
優一は、慌ててユウから目を離す。
そんな優一を不思議そうに見つめるユウは、笑った。
「そう? ならいいけど」
その笑顔は、花が咲いたようだった。
(あの人が笑ったらこんな感じなのかな)
優一が考えこんでいる間に3人は何か話して決めたらしく食べたものの後片付けをしてカバンを持ち立ち上がる。
「行くぞ、優一!」
「え、どこに?」
「聞いてなかったのか? カラオケ行くぞ!」
「ああ」
やる気満々の浩一に連れられカラオケに行ったが行った後に死ぬほど後悔することになる。
浩一のジャイアンリサイタルに。




