ターゲット8 男とは
「先輩、好きです。付き合ってください!」
朝の登校中のことだ。少女はそう叫んだ。
黒髪のかわいらしい後輩が愛の告白をする。彼女は顔を真っ赤にして恥ずかしさに耐えている。肩も震えている。YESかNOかどうなるかと考え震える。
「ごめんね・・・。俺には愛している人がいるんだ」
答えはNO。
その言葉に少女は肩を落とし、とぼとぼとどこかへ行ってしまった。
はあ・・・、告白されたの何回目だよ。もてる男はつらい。いつも女の子の悲しそうな顔を見なければならない。
「もてる男はつらいな・・・。なあ、『トシ』」
「そうだな、『俺』に告白してくれた女の子の悲しそうな顔は見たくない」
そう、告白されたのは俺ではなくトシなのだ。
何故かトシはかなりモテる。太っている男がモテると言う話は聞かないがトシはモテる。
それもそのはずかもしれない。トシは気配りがあり、ノリもよく、頭もいいし、運動もできる、しかも誠実さもある。無駄に完璧な男なのだ。太っている以外。
一度トシに痩せないのかと聞いたら、
『顔だけでモテるのはもう嫌だからな。男は心なんだよ』
とのことだ。こいつは痩せたらイケメンなのだ。幼馴染の俺が言うから間違いない。
トシと馬鹿話をしていると、教室についた。正直入りたくない。
問題はもちろん、
「おはよう。坂本君、倉岡君」
こいつ、宝島沙織だ。
こいつは、俺のヒットマンで常時俺を狙っている。
「うーす、宝島さん」
と、トシ。
「や、やあこんにちは。宝島さん・・・」
ひきつった声で俺。
「どうしたの?坂本君、顔色が悪いわ。保健室いく?」
こ、この女俺の顔の引きつり具合に気づきやがった・・・!
にやりと笑っているから保健室で俺を殺す気か・・・。
「い、いや!大丈夫ダヨ!宝島サン!問題ない!」
「そう・・・、一応、風邪薬渡しておくね」
そういって、奴は俺の手に何か握らせる。
バイバイと言って転校してすぐにできたらしい友達の所へ行った。
「何渡されたんだろ・・・、毒とか?」
手を開いてみるとそこには・・・、
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昨日、お父さんの所に行ったでしょう?
ずっと見てるから♥
ps
私は後ろからぐっさり刺殺とか大好きです
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怖えええぇぇっぇぇぇぇぇぇ!!!!!