ターゲット4 ターゲットとヒットマン
むちゃくちゃ短いけど戦闘シーンむずいですね…
放課後、俺は体育館裏にいた。やばい、めちゃくちゃ緊張する。誰だろうな。何話せばいいんだろう・・・。
誰か来た、自分より少し小さいくらいの身長に長い黒髪の人が近づいてくる。あれは・・・
「宝島、さん?」
――――――――――美少女転校生の宝島沙織さんだった。
「ええと、何してるの?」
「あら、分からないの?」
「え、あ、うんごめん」
今日宝島さんは転校してきたんだ。自分と宝島さんは接点を全く持たない。だいたい俺はここに来るはずの女の子を待って・・・
「もしかして、違ったら謝るけど俺にメールしたのって」
「そうよ、私」
え、なんで。もしかしていたずらかよ・・・。
「いたずらじゃないわよ、坂本君。本当にあなたのことをずっと見ていたから」
「へ?」
「坂本大地、誕生日6月7日、年齢16歳、体重64,3kg、身長179㎝。父と母に弟と姉の五人家族。父はセールス業、母は専業主婦をしている。表向きはね」
「!」
「実際は、父は自動車の大手企業の社長、母は古武術道場の一人娘。幼少より自分の身を守るため、古武術はもちろん剣道、柔道、空手、薙刀、ボクシングなど様々なことを習ってきた。現在はひとり暮らしをしている。違うかしら?」
「へえ、ずいぶんと調べたもんだ・・・。そこまで俺のことが好きなのかい?」
「そうね、大好きよ。殺したいくらいに」
カチャリ
おいおい、冗談だろこの女。拳銃なんか出しやがった・・・
「なんだそりゃ、おもちゃか?」
「わかってるでしょ?モノホンよ、本物。試してみる?」
「い、いや、いいよ。怖いから」
「そう、残念。まあ、撃つんだけど」
パァンッ!
乾いた音が響く。俺の頬を銃弾がかすった。
「クッ、危ないな・・・」
「残念、外れちゃったわ」
宝島がほほ笑む。彼女の美しい顔には三日月が浮かんでいる。よく言う、わざと外したくせに・・・。
なにか、なにかあいつの気を紛らわすことはできないのか・・・。
「で?お前はなんなんだ?俺をどうしたい?」
宝島がゆっくりと、歌うように言葉を紡いでいく
「フフフ・・・。時間稼ぎのつもり?いいわ、教えてあげる。
私の家はね、代々暗殺稼業でね。子供の時から、具体的には箸を持つ前くらいから拳銃を持って暗殺の訓練を始めるの。それでね、何年も訓練して最後の卒業試験をクリアしなきゃならないのよね」
「卒業試験?」
「そう、卒業試験。内容は『誰でもいいから殺す』ね」
「誰でもいいからって・・・、俺は適当に選ばれたのかよ」
「まさか、あなたは運命に引き寄せられたのよ」
はあ?この女、電波さんか・・・?
「運命、いい言葉ね。あなたは私の運命の人、何億人もの人間の中からあなたが選ばれたのよ。ダーツで」
「ダーツかよ!」
「最高ね」
「最悪だよ!」
クソッ。この女ふざけやがって・・・。
「フフフ、そろそろさよならね。楽しかったわよ」
「ああ、俺も楽しかったよ。」
彼女が拳銃を構える。引き金に指がかかる。
その瞬間!俺は思いっきり踏み込む。
「!」
狙い通り、彼女は俺の抵抗にひるんだ。そしてそのまま彼女の手から拳銃をけり落とす。
「キャッ!」
「よし!じゃあな!」
そして、そのまま俺は体育館裏から逃げ出した。