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吾輩は猫である。名前はギガンティックウルトラコスモユニバースアルティメットブレイザーレクイエムアポカリプスカタストロフィジエンドオブザワールドクリムゾンヘルガイアスカーレットヴァリュアブルゴッドマスタ

掲載日:2026/10/19

 吾輩は猫である。名前はまだない。というか記憶もない。どういうことかすべてを忘れてしまったようだ。


 この世界において名前は重要な物であったはずだ。覚えているのではなく、"知っている"。


 戦いに敗れたものは、相手に名前を奪われる。つまり、戦うべきなのだ。


 吾輩はその辺を歩いた。高いビルに挟まれてジメっとした暗い路地。


「よう、そこの名無しさんよ。俺の名前はギガンティックウルトラネコだ。ひと勝負しようぜ」


 豪華そうな名前のネコだ。名前が長いということは強いのだろう。一応礼儀としてネコパンチを放つ。


「フニャァー!!」


 情けない声を上げて目の前のネコは倒れた。


 もうただのネコなのだ。


 吾輩の名前はギガンティックウルトラ。


 名前を得たおかげか、少し記憶が戻ってきた。もしかしたら、吾輩は昔この名前だったのかもしれない。


「ーー、いい子だね」


 記憶の中にある優しい声。


 呼ばれているはずの名前はまだ思い出せない。


 なぜだろう、非常に懐かしい感じがする。名前をとりあえず集めよう。そうすれば吾輩の記憶はもっと帰ってくるのかもしれない。


 しばらく路地裏を歩くと、草原に出た。ただただだだっ広く、説明の文章に、た、がいっぱい並んで少しにゃんとも言えない気分になる。


「私の名前はスモアレクイエムだワン」


 恐らく犬だ。でもいぬという名前は入っていない。変な名前ばっかり。


 スモアレクイエムは、突然マシュマロを焼き始めた。そして、クラッカーに焼いたマシュマロを挟み、チョコをつけて、前足で地面を掘ってそこに埋めた。


 よく分からなかったので殴ってみたら、目の前の名無しの犬は倒れた。


 吾輩の名前は、ギガンティックウルトラスモアレクイエム。


「ーー、これはスモア、って言うんだよ。美味しいんだ」


 また新しい記憶。しゃべっている生物の姿は見えないが、先程見たマシュマロのやつはスモアというらしい。


 さらに歩みを進める。


 コユニバースルメットドマスタというのに出会った。


 トドの王らしい。宇宙スルメを開発したらしい。どうやら宇宙人をからっからになるまで干して作るらしい。


 なんか怖いので一緒に旅をすることにする。


「ギガンティックウルトラスモアレクイエムよ、私の名前は、どこからともなく付与されたものなのだ。名前は基本、誰かと戦うことでしか得られないはずだというのに。不思議なこともあったものだ」


 そんなことを話していた。名前を失ったことと関係があるのだろう、なぜかそう確信を持てる。コユニバースルメットドマスタにはなぜか親近感を覚えている。


 次に、ティーカリトロオブザクリムブルゴッに出会った、というより見つけた。お茶と、カリカリふわふわのしゅーくりむみたいなものが置いてあった。


 食べたらそのまま名前になった。


 吾輩の名前はギガンティックウルトラスモアレクイエムティーカリトロオブザクリムブルゴッ。


 力があふれてくる。


「ーー、もっとかっこいい名前にしないと、ダークフレイムなバーニングソウルでヘルなアタックは使えないよ」


 無邪気な声。どこか懐かしい声がする。


「俺は、ブレイザスカスカットヴァリュア。お前たちみたいな雑魚には暴言しか言わないぜ。ばーか!!あーほ!!」


 無礼だったので、コユニバースルメットドマスタが怒り、干物にしてしまった。


 吾輩の名前は、ギガンティックウルトラスモアレクイエムティーカリトロオブザクリムブルゴッ。


 そして、隣にいるのは、コユニバースルメットドマスタブレイザスカスカットヴァリュア。


 すこし、隣のトドはしゃべり口調が荒くなった。


 王というよりも、権力のある蛮族のようだ。


 結構怖い。しかし気づいた。隣にいるトドの彼より、吾輩は7文字も名前が長い。


 横から殴ったら、彼は倒れてしまった。


 吾輩の名前は、ギガンティックウルトラスモアレクイエムティーカリトロオブザクリムブルゴッコユニバースルメットドマスタブレイザスカスカットヴァリュアだぜ。


 ガンガン近づいてきた奴をボコして名前を手に入れるぜ。


 不意に記憶がよみがえる。


「ーー、君は世界一強いネコになって欲しい。君のために誠心誠意強そうな名前集めるから」


「君が死んでしまわないように、強い名前をたくさん、あげるから」


 優しい声。


 さらにしばらく進んだ。いつの間にか草原エリアを抜けて住宅街に来ていた。


 遠目に吾輩を見て、離れていくのが分かった。きっと吾輩が強すぎるのだろう。


「あ!!!」


 そんな吾輩の前に、聞き覚えのある声。


「帰ってきたんだね!! よかった!!」


 無邪気な声。


「僕の名前は、アポプタスフィジエンドワールドゾンヘルガイアーレ」


「吾輩の名前は、ギガンティックウルトラスモアレクイエムティーカリトロオブザクリムブルゴッコユニバースルメットドマスタブレイザスカスカットヴァリュア」


「あれ、なんか名前ぐちゃぐちゃだね。君の本当の名前は、ギガンティックウルトラコスモユニバースアルティメットブレイザーレクイエムアポカリプスカタストロフィジエンドオブザワールドクリムゾンヘルガイアスカーレットヴァリュアブルゴッドマスタ、だよ」


 すごく長く強そうな名前だ。


「後は、僕の名前だけ、かな、足りないの」


 そう言って、目の前の少年は名前をくれた。


 吾輩は猫である。名前はギガンティックウルトラコスモユニバースアルティメットブレイザーレクイエムアポカリプスカタストロフィジエンドオブザワールドクリムゾンヘルガイアスカーレットヴァリュアブルゴッドマスタ。


 どうしてだろう。すごく落ち着く。それよりも目の前の少年のことを完全に思い出す。


 吾輩は、少年のペットのネコだった。でも、病に侵され、死にそうだったのだ。


「大丈夫、僕が、絶対助けるから」


 そう言って、この名前をくれたんだ。


 でも、小さな吾輩の体には抱えきれず、名前はちりぢりになってしまったのだ。


 不意に目の前の少年、いや、吾輩のご主人が倒れる。


 名前を一度に渡しすぎたからだろう。


「ご主人、吾輩はもう元気ですにゃ」


 そう言って、ご主人に触れたら、ご主人が、


「それならよかった、トロ」


 トロ。それが本当の名前。思い出した。


 吾輩はトロ。


 残った名前を全部ご主人に渡す。


「ご主人、もう吾輩は元気だから、集めてきてくれた大事な名前はご主人に持っていて欲しいにゃ」


 そう言って、吾輩は、ギガンティックウルトラコスモユニバースアルティメットブレイザーレクイエムアポカリプスカタス"トロ"フィジエンドオブザワールドクリムゾンヘルガイアスカーレットヴァリュアブルゴッドマスタ、のトロ以外をご主人に返した。


「うん、ありがとう僕も元気。それじゃあトロ、家に帰ろうか」


「はいにゃ!」


 吾輩は猫である。名前は、トロ。

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― 新着の感想 ―
なんでしょう こにょ気持ちは……ʕ•ᴥ•ʔ でも何かがとってもわくわくして楽しくて嬉しかったのです♫ そしてほっこり・:*+ʕ^ᴥ^ʔ+・:* いたしました。 それって素敵なことですね˚✧⁺˳ʕ❛…
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