2/2
2
そのうちに電車が来た。
「電車が来たぞ。逃げろ!」
僕は叫んだが、女子高生は微動だにしなかった。
一瞬、飛び込んで助けようかと思った。
しかしまだその子まで、やや距離がある。
電車はもうすぐ近くまで迫っていた。
僕は躊躇した。
それがさらに時間を食う。
そしてもう間に合わないと悟った。
電車の警笛、急ブレーキの音。
そして女子高生はそのまま電車にひかれてしまった。
ひかれる瞬間はさすがに目をそらしたが。
茫然としていると、いつの間にか友達がすぐ近くにいた。そして言った。
「見たか」
僕は女子高生がひかれる瞬間のことを言ったのかと思った。
「いや、見てない」
「そうか、俺は見た。はっきりと」
言い方で気づいた。
友達が言ってるのはあの子がひかれる瞬間のことではないと。
そうなると、こいつはいったい何のことを言っているんだと思い、聞いた。
「何を見たんだ」
「見たんだよ。あの女子高生の両隣に、幼い少女が二人いた。そして左右からあの子の両手をしっかりつかんでいたんだ」
終




