あとがき&作者コメント
物語を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本作では、「存在とは何か」「自分とは誰か」というテーマを中心に据え、科学と怪異、心理的葛藤を交錯させながら描きました。
主人公は、記憶の欠落やコピーとしての自分と向き合いながら、自らの存在を取り戻す旅をしましたが、すべての謎が解明されたわけではありません。そこに余白を残すことで、読者の皆さん自身が“この後どうなるのか”を想像できるよう意図しています。
廃病院、異空間、オリジナルとの対峙……これらの要素はホラーやSFの雰囲気を演出しつつ、日常と非日常の境界を揺さぶる描写として組み込みました。
恐怖や不安だけでなく、主人公が自分自身を選び取り、生きる決意をする姿は、読者の皆さんに少しでも勇気や希望を感じてもらえたら嬉しいです。
この作品を通じて、「自分は誰であるか」を考えるきっかけになれば幸いです。
そして、物語の余白にある“まだ見ぬ謎”や“再会の可能性”を、読者の想像力で広げてもらえたら、作者としては最高の喜びです。
最後に、この物語を応援してくださったすべての方々に感謝を。
ありがとうございました。