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エリナはクズの件が世間に知られた理由を知った後にルディエンス伯爵の親子を助ける。

この作品を選んで、お読で頂き、ありがとうございます。

この物語はフェイクションです。


物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。

 エリナは借りた部屋で部屋着に着替えると、ハクランとコランを連れて、一階の食堂に向かい、空いている席に座るとその両脇にハクランとコランもお座りする。


「来たね、はい、これが今晩の晩御飯ね、オーク肉のステーキとスープとパンとサラダね、従魔の分も直ぐに持ってくるからチョッと待ってね、従魔の躾がいいじゃないかい大人しいね」


「はい、この子達は賢いですから」


「うふふ、そうかい、直ぐにオーク肉の生肉を持ってくるからね」


宿屋の女将はエリナの晩御飯の料理を置いて、従魔の分の晩御飯を取りに行く。


「はい、お待たせ、オーク肉の生肉ふた皿ね」


「あの、聞きたい事があるのですが、例の伯爵家の取潰しの件が世間にだいぶ知られている様ですけど、なぜでしょうか」


「あ~、お嬢ちゃんは知らないのかい、公爵様がだいぶお怒りだったみたいでね、裁判が結審した後まる三日王城の門の前にその男を鉄格子の中に入れて看板に伯爵家が取潰しになった理由を全部書いて晒したからだよ」


「あのその看板には私の事も書いてあったのですか」


「そうだね、公爵の孫でもある娘と書いてあったらしいね、お嬢ちゃんの事だろう、養女にするとも書いてあったらしいわ、随分な仕打ちを受けていたんだろう」


「まぁ、そうですけど、森の中の小屋に監禁されて食事も朝食のみでパンと水だけで、それも一週間後には時々しか出されなくなりまして、監禁去れて半年くらい経った頃にこのままでは餓死すると思い起ち計画を立てて脱出して逃亡しました」


「そんな事する親が居るとは考えられないわよ、公爵様がお怒りになるのは分かるわ、無事だったから良かったけど普通の子のなら完全に餓死しているわよ、お嬢ちゃんは魔法の天才なんだろう」


「天才かどうかは分かりませんが、亡くなったお母様にある程度は教わりましたので何とか窮地を凌ぎました。でも脱出して逃げて森を彷徨っている時にこの子達に巡り会えたので幸運でした」


「まぁ、そうかい、それは不幸中の幸いと云うことかい」


「はい」


「それでね、公爵様は本来なら死刑にしたいところだが、簡単に死なせて楽にさせてはならぬと鉱山へ労働奴隷として送ったらしいじゃないか、死より辛い思いをさせたいと思うのは当然だわよね」


「そうですか、私は父親の顔を知らないし最初から居ないものだと思ってます。私の親は亡くなったお母様だけですよ」


「はぁ~、うん、そうかい、まぁ、そう思った方がこれからの人生を生きていくには良いかもね。父親を恨んだところで何にもならないものね」


「そうですね、私は亡くなったお母様の分まで幸せになると誓ってますから」


「うんうん、そうかい、話はこのくらいにして冷めないうちにお食べ」


「はい、頂きます」


それからエリナは晩御飯を美味しく頂く。


 しかし、お爺様があのクズにそんな仕打ちをしたのかと知り、クズに対する怒りで頭に血が上って冷静さを欠いたのか、自分の存在まで有名になってしまいエリナは困惑する。


 その時エリナはハクランとコランが入るテントを買って野宿した方が得策だと思い、公爵領に着いたら装備屋さんが商会へ行ってみようと思い起つ。


 翌朝を迎えてエリナは装備服に着替えて食堂へ行き空いているテーブルに座ると、女将から追加代金はないから食べ終わったらそのまま出て行ってもかまわないと言われたので、食べ終わってから女将にお礼の挨拶をして冒険者ギルドへ向かった。


 冒険者ギルドへ着くと丁度開いたところで、直ぐに中に入り受付カウンターの前に行くと、受付嬢が席に着いたので直ぐに冒険者証を見せて用件を伝える。


「はい、いらっしゃいませ、お早うございます」


「お早うごさいます。あのオーク10体の代金を受け取りに来たのですが」


「はい、エリナ・ユリシアナ様ですね、承ってます。代金は口座に入金されますか」


「はい、お願いします」


「畏まりました。只今入金処理致します」


受付嬢は直ぐに後方の職員に冒険者証を手渡すと、後方の職員が魔道具を使い入金処理を行い受付嬢に冒険者証と明細書を渡す。


「お待たせいたしました。冒険者証と明細証です。ご不明な点は御座いますか」


「いいえ、ありません。ありがとう。これで失礼します」


「はい、お疲れ様でした」


 エリナは冒険者証と明細書を異空間収納に仕舞い直ぐに冒険者ギルドを出ると、ハクライに乗って門へ向かって街中の街路をゆっくり進む。


 門に着くと衛兵に冒険者証を見せると直ぐに通してくれて、街道を通らず近道をする為に森の方へ向かってハクランとコランが走る。


 森を抜けようとしたところで、木の上で弓を引く男を二人見つけて、その先で貴族の馬車なのか立派な馬車が盗賊団に囲われて襲われているのが見えたので、ハクランとコランに念話で命じる。


「ハクラン、コラン、あの木の上にいる二人の男をエアー弾で吹き飛ばして」


「「はい」」


ハクランとコランが返事をすると口を開けてエアー弾を放ち、男二人の脇腹に命中させて空高く吹き飛ぶの見て直ぐに走り出して援護に向かう。


「ハクラン、コラン、護衛騎士に当たらない様に盗賊団の連中にエアー弾をブチかまして」


「はい、分かったわ」


「任せてね」


ハクランとコランが狙いを絞り盗賊団にエアー弾を放ち、次々と吹き飛ばしていく。


 盗賊団は仲間の二人が森の方から空高く飛んで行くのを見て驚くと、自分達の仲間が脇腹や腰や腹に何かが当たり次々とぶっ飛んで行くを見て反応できずにぶっ飛んでいく。


 護衛騎士達もその様子を見て呆気に取られているところへエリナがハクランに乗って声を掛けると剣を構えるが幼い女の子と見ると剣をおろす。


「大丈夫でしたか、私は冒険者のエリナと申します」


エリナは異空間収納から冒険者証を出して、護衛騎士達に見える様に掲げてゆっくりとコランと共に近寄っていく。


 護衛騎士の隊長がエリナの所に歩み寄って来たので、エリナはハクランに止る様に頼んで止まり、護衛騎士に冒険者証を見せて確認してもらうと護衛騎士が行き成り敬礼する。


「これはエリナ・ユリシアナ様でしたか、援護ありがとうございます。おい、他に者達は盗賊団の連中に止めを刺しておけ」


「「「「ハッ」」」」


護衛騎士の五人が盗賊団のぶっ飛んだ所へ行き、次々と止めを刺していく。


「エリナ様、知っているかと思いますが、盗賊は斬り捨て御免でその場で殺し地中に埋めるのが定められているのでご勘弁のほどを」


「はい、別に構いません、私はこれで失礼します」


「ちょっと待ってくれたまえ、エリナ嬢ですか、助けて頂き感謝致します。我々もエリナ嬢のお披露目会へ参加する為に公爵領へ向かっている最中なので、どうかご一緒致しませんか、私はアインズ・ルディエンス伯爵と申します」


「えっと、どうしてもですか。私は従魔と共に先に行きたいのですが」


「そうですね、出来ればご一緒したいですね、せっかくのご縁なので、ついでに息子も紹介したいんですよ」


「え~とですね、息子さんを紹介されても、私は貴族になる気はないですよ冒険者として生きていく心算ですので何の得にもなりませんよ」


「エリナ嬢はご自分の価値を存じてないのですね、例え冒険者として生きていくとしても、王位継承者である事には変わりはないですよ」


「そうかもしれませんが、私は王位継承の最下位の方ですよ、価値があるとは思いませんが」


「アハハ、もし仮にエリナ嬢が冒険者として名声をえれば王位継承は上位になるんですよ、この国の成り立ちをご存知てすか」


「いいえ、この国の歴史を学ぶ機会がなかったので知りませんけど」


「そうですか、この国の初代の王は800年前、優秀な冒険者でありまして魔物が蔓延る未開の地を王妃となる女性と二人で数多な魔物を討伐して開拓して出来たのがこの国なんですよ」


「へぇ~、そうなんですか、しかし今の王家はシッカリしていると聞いております。私の出番はありません。それに王位に興味もありませんし関われたくもないです。面倒なので」


「面倒ですか、しかし世間はそうはいかないもんですよ、エリナ嬢は今や世間の注目の的ですからね、我々貴族も注目しているんですよ」


「えっ、なんでそうなっているのです、確かに悲劇の令嬢かも知れませんがそれだけですよ」


「アハハ、エリナ嬢がルーデンスで起きたスタンピートを食い止めた事は貴族の中ではもう有名な話ですよ、私もエリナ嬢が倒して親玉の魔核のオークションに参加してましたからね」


「えっ、そんな~」


「あの時のスタンピートの親玉の巨大な魔核の所有者になってましたからね、公爵閣下が儂の孫が倒してた物だ儂が買うと云って買付けてましたけど、注目されて当り前です」


「えっ、そんな、うわ~、お爺様、何て事をするんですか、はぁ~、私って知らないうちにやらかしていたのですね」


「と言う訳でご一緒してください。私もエリナ嬢と二体の従魔が居れば安心ですから、個人的な依頼をしましょう、何なら事後でも冒険者ギルドを通しますがね」


「はぁ、分かりました。ご一緒致します。ただ、ハクランは大きいから無理か、コランだけども同席させて貰ってもいいですか」


「えぇ、良いですよ、その方が落ち着くでしょうから」


ルディエンス伯爵は満面の笑みで馬車の扉を開けて、エリナをエスコートしてからコランを乗せた後に馬車に乗り込み扉を閉める。


「アラン、公爵家のエリナ嬢だ。挨拶しなさい」


「はい、父上、初めまして僕はルディエンス伯爵家の三男のアランです。5歳になります。よろしくお願いします」


「私はエリナと申します。つい先日お爺様である公爵家の養女になりました。同じく5歳になったばかりです。よろしくお願いします」


「本当に冒険者をしているのか、冒険者証を見せて欲しい、僕は三男だからいずれは冒険者になるのが夢なんだ」


「別にいいてすよ、はい、どうぞ」


エリナは異空間収納から冒険者証を出して、アランに手渡す」


「凄い、今の異空間収納から出したのか、そんな事も出来るのか、これが冒険者証かDランクになっているのか」


「そうですね、私の年令ではそこまでが限界だそうです。12歳になったらCランクに上げると言われてます。この冒険者証はあくまで暫定だそうですけど」


「しかし、良く冒険者登録できましたね、伯爵家の僕が頼んでも登録できなかったのに」


「あ~、それは従魔が居たからです。流石に街に入れるには従魔登録しないと街に入れられませんから、だから暫定なんです」


「しかし、白狼の従魔なんて珍しいですよね、伝説の神獣フェンリルが白狼だと言われていますから、えっ、まさか神獣なのか」


「うふふ、そうですよ、建前上シルバーウルフの変異種となってますけど、神獣フェンリルはあくまでも伝説上のものなので流石に従魔登録できないそうです」


「そ、そうか、だからエリナ嬢に冒険者登録してもらい従魔登録させたわけだ」


「そうですね、保証人になってくれたギルドマスターのボウガンさんはハクランを見て直ぐに気が付き驚いてましたけどね、だからすんなりと冒険者になれました」


「しかし、父上、仮に神獣と従魔契約するとかなりの魔力量が必要ですよね、子供でも出来るもんなんですか、あっ、ありがとう、冒険者証お返しします」


「はい、どうも」


エリナは冒険者証を返してもらうと直ぐに異空間収納に仕舞う。


「いや、普通は出来ないよ、成人していてもかなりの魔力量がないと出来ないし、神獣の方から主と認めて貰わない限り契約なんてとても出来るものじゃないよ」


「私の場合は大怪我をしていたハクランを治癒魔法で完治させた時に私の魔力とハクライの魔力が相性が良かったみたいで、主として認めてもらった感じですけど」


「えっ、エリナ嬢は治癒魔法も出来るのかい、いったい幾つの時の話なんだい」


ルディエンス伯爵は驚いてエリナに質問する。


「えっ、治癒魔法なら3歳の時には使えてましたよ、ハクランと会ったのは4歳になって暫らく経ってからかな」


エリナは自分がいかに凄い事をしているのか理解できておらず、あっけらかんとルディエンス伯爵に話す。


 ルディエンス伯爵はエリナの話を聞けば聞くほど驚きの連続で、ルディエンス伯爵がエリナの話を聞いて驚いているうちに馬車が出発する。

お読み頂きありがとうございます。

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