街の衛兵にスタンピートが起きる事を知らせる
この作品を選んで、お読で頂き、ありがとうございます。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
エリナはハクランの背に乗り街道を走り、街の防御壁の門が見えてくるとハクランは走る速度を落として門に近づく為にゆっくりと走る。
「あの衛兵さん、森の中に異変があります魔物の姿がありません、どかでスタンピートが起こる可能性があります。森の調査をお願いします」
「うん、君はいくつかな」
「私は四歳です。森の中でこの子達と一緒に暮してます。だから森に魔物が居ない事に気付いたのです」
「森の中に魔物が居ないか、取敢えず冒険者ギルドに調査依頼は掛けよう、君はどうするのかな」
「森に戻りますけど、因みにこの街は何というのですか領主様は何方なのですか」
「この街はルーデンスだよ、ルドルファン子爵様が領主だよ」
「ルーデンスで、ルドルファン子爵様ですか、ありがとうございます。では調査の件はお願いしますね、失礼します」
「いやいや、君は四歳の子供だろう、このまま森へ帰す訳にはいかないよ、その白狼の親子と一緒に中に入っていいから、事情聴取させて貰ってしかるべき保護をさせてもらうよ」
「いいえ、結構です。この子達に何か危害があるといけませんので森へ帰ります。ハクラン行こう」
「良いのですかエリナ、せっかくのチャンスですよ」
「いいわよ、街のに中に入るとハクラン達と別れさせられてしまうわ、大人は信用ならないもの」
「おや、白狼の背に子供が乗っているな、どうしたんだ」
「これは子爵様、この子が森に魔物が居なくなっているのでスタンピートが起こる可能性があると申し出てきたのです」
「うん、それは大変だ。誰か冒険者ギルドへ使いを出して調査する様に依頼してくれ、それでこの子達はどうする心算なんだ」
「はい、どうやら白狼の親子と森の中で暮らしている様なのですが保護しようとしているところです」
「そうか、なら私が保護しよう、どうかな嬢ちゃん、私は一応この街の領主だから、君達の面倒くらいは見れるぞ、病弱な娘の友人になって欲しいだ。丁度君と同い年なんだけどね」
「えっ、娘さんが病弱なのですか」
「あぁ、今は寝たきりでね、原因が不明なんだよ、だからせめて何かしてあげたいだ。お友達になってくれないか、その白狼たちは君の従魔なんだろう、きっと見れば喜ぶと思うだ」
「う~ん、分かりました。一緒に行きます。ただしこの子達も一緒ですよね」
「あぁ、勿論だよ、決して君たちをどうこうする心算はないよ、それだけは約束しよう、何なら冒険者に成るために認められる12歳までの保証人になろう」
「えっ、本当ですか」
「あぁ、そうすればこの子達も従魔登録が出来るよ」
「はい、お願いします」
「うん、それでは行こう、あっ、冒険者ギルドへは私が行こう、そのついで冒険者登録をしようか」
「そうてすか、分かりました。引続き警戒態勢を取ります」
「あぁ、そうしてくれるか、ところで嬢ちゃんの名は何と云うのかな」
「私はエリナと申します」
「エリナちゃんか、それじゃ行こう」
エズワルドはエリナ達を連れて馬車に乗り、冒険者ギルドへ向かう。
「あの子爵様は何で門の所に来たのですか」
「あぁ、気晴らしも兼ねて街を視察していたんだよ、時々こうして街を見て回るのが習慣になっているだよ」
エズワルドは優しい目でエリナの目を見て話す。
「あの娘さんの名前は何と云うのですか」
「フランナだよ、最近は寝込みがちでね、妻も心配して付きっきりなんだよ、私にはして上げられる事がないだよ、父親として情けないだろう、医者に診てもらっても原因が分からないと言われてね」
エズワルドは悲しい表情でエリナに話す。
「そうですか」
エリナは自分の父とは大違いで、何て優しい父親なんだろう娘の事をちゃんと心配するなんてこれが普通なんだろうなと思った。
冒険者ギルドの前で馬車が停まり、エズワルドとエリナはコランを抱いてハクランと共に馬車を降りて、冒険者ギルドの扉を開けて中に入る。
エリナは冒険者ギルドの中に入ると、前世で良く見た異世界物の漫画やアニメ通りの景観に感激して周りを見て回る。
「やぁ、ギルドマスターは居るかい、緊急依頼だ」
エズワルドはギルド職員に声を掛けた。
「はい、子爵様、ギルドマスターでしたら執務室に居ますので、直ぐにご案内します。どうぞこちらへ」
「あぁ、頼む。エリナちゃん行くよ」
「あっ、はい」
エリナはエズワルドの後をハクランと共にコランを抱いて付いて行く。
コンコン
「マスター、子爵様が緊急の御用向きでいらっしゃいました」
「直ぐに入ってもらえたまえ、これは子爵様、どうぞこちらへ」
「すまんな、ボウガン、忙しいところ邪魔するぞ、この子が森の中に魔物が居居なくなっているから、スタンピートが起こる可能性があるから調査して欲しいと言われてね」
「なに、その子がかって、おい、一緒にいる白狼は神獣フェンリルじゃないのか」
「えっ、はい、そうですけど、良くお分かりですね、ハクランとこの子がコランと申します」
「おいおい、神獣を従魔にしているとは飛んでもない嬢ちゃんだな、分かったよどうせ神獣から知らされたんだろう、直ぐに調査に行かせるがどっち側なんだ分かるか」
「この子が居たのは東側の門だから、東の森を頼む」
「オイ、うちの職員と提携している冒険者パーティーに直ぐに東側の森の調査する様に命じろう、緊急事態だ。分かっているな」
「はい、畏まりました」
ギルド職員の女性は直ぐに退出して行った。
「はぁ~、大変な事になったぞ、それで子爵様、その嬢ちゃんをどうする心算ですか」
「あぁ、私の屋敷で保護する心算だよ、まさか従魔が神獣だったとわね、そうだこの子達を冒険者登録と従魔登録してくれるか、保証人は私がなるから」
「そうですか、まぁ、その方が良いでしょうね、嬢ちゃん、従魔はシルバーウルフとして登録してもらうが良いかな、神獣は伝説の魔物となっているからな流石に登録できないからな」
「はい、別に構いませんよ、従魔登録できるのでしたら」
「そうですね、別にエリナと一緒に居られるのならシルバーウルフでも構いませんよ」
「うん、ハクランもそれで良いと言ってます」
「ふぅ~、そうか、ならそうしてくれ」
ギルドマスターは大きく深呼吸して話す。
ギルドマスターは魔道具を使い他の職員を呼びだして、冒険者登録申請書と従魔登録申請書を持ってこさせる。
「あぁ、ご苦労、ちょっと待機してくれ、お嬢ちゃん申請書は書けるのか」
「一応読み書きは出来ますよ」
「ほぅ、お嬢ちゃんはひょっとして貴族の出じゃないのか、平民の幼子が読み書きなんぞ出来んぞ」
「えっ、そうなんですか、そうですね、私は貴族の出ですけど父親から邪魔者扱いされて家を出しました。森の中の小屋に監禁されて餓死しそうだったので、私の亡くなった母は公爵家ですけど」
サラナは幻影魔法を解いて金髪の姿を晒す。
「金髪は確かに王家に連なる者の証だ。たしかユリシアナ公爵様は王家の血筋です。そうか公爵様のお孫さんなのか」
「はい、ですから父の方は無視して下さい。お爺様の方へ連絡するのならして下さい」
「そうだね、一旦屋敷に戻って公爵様に手紙を書いて送るよ、しかし、王家の血筋の娘を監禁するとは何を考えているんだ。下手したら死刑になるぞ、エリナ様はそれでいのかい」
「別に構いません。あの人を親だと思った事は一度も御座いません。愛人とその娘が大切なんでしょう、お爺様との約束を反故にしたのですから、それに私の夢は冒険者になる事なので」
「アハハ、それじゃ夢が叶うのだな、エリナお嬢ちゃん、それは良かったな」
「はい、子爵様のお陰です。それでは書かせて貰います」
エリナは嬉しそうに満面の笑顔で申請書の二枚に記入する。
「はい、これでいいですか」
エリナは記入した申請書二枚をギルドマスターに渡す。
「う~ん、どれどれ、姓は書かないのだな」
「はい、あの家はお爺様に知れたら多分だけど取潰しになるかと思うので、それに名乗りたくないです」
エリナは思っている事を正直にギルドマスターに伝える。
「そうか、まぁ、別に構わんけどな、うん、これで登録しておこう、保証人は俺がなろう、公爵様の孫だとなると子爵様が保証人なると拙い事になるかも知れんからな」
ギルドマスターのボウガンが保証人の所に名を書き職員に手渡す。
「これでお嬢ちゃんを冒険者登録と従魔登録してくれ」
「はい、畏まりました。それでは失礼します」
ギルド職員はサラナの冒険者登録証と従魔登録証を作るために執務室を後にする。
「そうだな、確かに危険な職業である冒険者の保証人になったと知れたら、公爵様の逆鱗に触れそうだな助かるよ」
「ご迷惑をかけてすいません」
「いいや、エリナ様が謝る事ではないですよ、本来なら長女として大切に養育するのが義務のはずですから、その父親が悪いんです。裁かれても仕方がない事です」
「しかし、こんな可愛いお嬢ちゃんを森の小屋に監禁するとわね信じられんな、将来はきっと美しい令嬢となって婿なんぞ選び放題なると思がね」
「とにかく、ボウガン、冒険者を集めてスタンピート対策を頼む。私の方でも出来る事はしておくからな」
「あぁ、俺もこの街が大切な故郷でもあるからな守って見せるさ」
「うん、頼んだぞ、私はエリナ様を連れて屋敷に戻る」
コンコン
「エリナ様の冒険者証と従魔登録の証を持って来ました」
「おぅ、ちょうど良い入ってくれ」
「お嬢ちゃん、これが冒険者証だ無くすなよ口座としても使えるからな、それとだ従魔の証だが、子供の方は首に付けてもいいが親の方は前足に付けるか、それでいいか聞いてくれるか」
「はい、それでいいそうです」
「そうか、それならお嬢ちゃんが付けてくれるか、俺じゃ流石にな機嫌を損ねたら大変だからな」
「はい、ハクライ前足を出してくれる」
エリナはハクライが差し出した右の前足に従魔の証の皮のベルトを締めて、コランには首に付けて上げた。
エリナはハクライとコランに従魔の証のベルトを付け終わると、冒険者証を異空間収納に仕舞うとギルドマスターが驚く。
「おい、凄いな四歳児が異空間収納も使えるのか、天才じゃないのか」
「えっ、そうなんですか、亡くなる前にお母様に教えてもらったのですが」
「そうなのか、しかし、なかなか居ないぞ幼子から使えるのは、使えたとしても普通は成人してから修得するもんだぞ、どうなってんだ」
「そうなんですか、でも使えるんだから良いじゃないですか、何か問題でもあるんですか」
「いや、ないけどな、どんだけ幼い身体に魔力量があるんだよ末恐ろしいな、頼むからうちのギルドで長く勤めてくれよ、期待してるからよ」
「うふふ、そうね、私の保証人になってくれたんだものね、期待に応えたる様にするわ、バイバイ」
エリナはコランを抱いてハクランと子爵様と共に執務室を出て行く。
それから子爵様の馬車に乗って子爵様の屋敷へ向い、着いたら子爵様がエリナに一息入れる様に告げて、侍女に客室へ案内してもらって客間でいと息入れて休む。
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