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エリナは一念発起して家を出て冒険者を目指す為に鍛錬を再開する。

達とこの作品を選んで、お読で頂き、ありがとうございます。

この物語はフェイクションです。


物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。

 エリナは街の近くにある森の中の小屋で朝だけの食事でパンと水だけを与えられて一週間が経って、ようやくサマンサの急死のショックから立ち直る。


パンパン


「このままではダメだわ、ヨッシ、夢の冒険者を目指さなくてはいけないわね、こんな伯爵家に未練はないもの」


エリナは両頬を両手で叩いて気合いを入れる。


 エリナは気合を入れてから小屋の窓から抜け出して、数カ月間もの間を森の中で冒険者に成る為に修行をする日々を過ごした。


 母が亡くなる前に伯爵家の倉庫の中にあった剣を二つほど拝借して異空間収納に仕舞っていたので、森の中で魔法と剣の稽古も始めた。


 ただ食事も朝のパンと水だけの一食だけで、ちかも時々しか届けられなくなったのでまったく栄養が足りないので食用の肉となる魔物を狩る事にした。


 少し遠征して森の奥へ行き一角ラビットという魔物と初めて対峙して、剣で斬り倒すと鑑定魔法が使える様になる。


 自分のステイタスは二歳の時に前世で異世界物の物語でもお馴染みだっので冗談でステイタスと唱えたら見る事が出来たので、それからはたまに見る事にしている。


「う~ん、私ってあれかな、神から祝福されてこの世界に来た訳じゃないわよね、でも割とチートかも鍛錬してたら使える魔法も増えるしね」


その日は一角ラビットを五体だけ倒して異空間収納に仕舞い、解体の技術を磨くため小屋の近くの森で捌いて肉を魔法で焼いて食べた。


「ウェ~、やっぱり調味料が欲しいわね、でも食べないとね、明日にでも街に行って仕入れてこようかな、幸いお金も少しあるしね、もう家を出てもいいかな」


その日は味のしない焼いただけの肉を我慢して食べて小屋に戻って眠る。


 朝になって起きると朝食のパンと水がドアの前に置かれておらず、仕方がなくエリナはボロボロのドレスをアレンジして冒険者風の衣装に作り替えて小屋の窓から出る。


「あ~、今朝も食事がないのね、仕方がないから街でも行きますか、ただこの金髪はダメよね、色を変えられないかしら」


 エリナは屋敷には新しい侍女が二人務め始めたと思い込んでいたが、実際はその二人も愛人である事を知らなかった。


 新人の侍女の二人には自分の事は詳しくは話ていないと思い込み、愛人の子として小屋で育ている事にされているだと思っていたが実際はそうではなかった。


 エリナはただの愛人の子と云う事であまり相手にされずに朝食も与えられない事も頻繁になってきて、念のために寝ている様に偽装して出掛けていた。


 侍女の二人からは小屋の中に入って来て確認される事もなかったけど、実際にはまったくエリナの事を気にも留めていなかった。


 ただこの国では金髪は王家の血筋の証として扱われている事は有名な話であるはずなのだけど、新しい二人の愛人の侍女はそんな事も知らない様であった。


 森の中を彷徨いながら、一角ラビットを数体倒しているうちに、湖の畔に出るとスライムと遭遇して行き成り襲ってきたので剣で魔核を狙って突き刺すと粉砕する。


 また、スライムと遭遇したので同じように剣で魔核を狙って、突き刺して粉砕したら幻影魔法を修得できた。


「う~ん、あっ、出来たわ、なるほどね幻影魔法かいい魔法を修得で来たわ、さてと街へ出掛けますか、え~とここは何処だろう、迷ったわ」


エリナは適当に森の中を歩いていたので、ここがどこだか見当もつかなかった。


 しかし、ここに居ても埒が明かないと思ったエリナはまた森の中を歩いて、誰かに会えればラッキーくらい感覚で彷徨い続ける。


 せっかく森の中を彷徨っているのだから薬草でも摘もうかなと思い起ち、鑑定魔法を駆使して薬草採取を始めると香辛料代わりになる香草を見つけて採取する事にした。


 香辛料代わりの香草を使い一角ラビットの肉と一緒に焼くと良い香りがして食べてみると意外と美味しいかったので、肉の香草焼きでお腹を満たす。


 それからまた森の中を彷徨いながら食べられる木の実も採取もしているうちにゴブリンにも遭遇して面倒くさいので、火球を放ち丸焼きにして倒した。


「あっ、もう、ゴブリンって何にも使えないのわよね、食べられないし魔核くらいかしら、仕方がない売れるぼっいから解体して埋めますか」


エリナはゴブリンを解体して魔核だけ取り出して、埋めるのが面倒だからまた火球で丸焼きにして骨だけにして放置した。


 それからまた森の中を彷徨い歩いていると森の奥で物音がしたので、走って見に行くとゴブリンの集団と白狼の親子が戦っていたけど、子供は小さくて親が庇いながらの戦いで不利になって怪我もしていた。


「わぁ~、私のモフモフがやばいじゃない、助けなきゃ」


エリナは初めて見る毛並みの良い白狼の親子がピンチになっていたのでモフモフを想像して助太刀に入った。


「こら、ゴブリンども私のモフモフを虐めるな、私の怒りのファイヤーボールを受けて見ろー」


エリナは怒りのファイヤーボールをゴブリンが20体もいる集団に向けて放つと青白い炎の火球が集団の半分を丸焼きとなり暴れながら倒れていく。


 残りのゴブリンにも怒りのファイヤーボールをもう一発放つと青白い炎の火球でやはり暴れて倒れて全部を丸焼きにして倒す。


「はぁ、はぁ、どうだゴブリンどもめ、はぁ、はぁ、あっ、私のモフモフ大丈夫かな」


エリナは肩で息をしながら白狼の親子の方を見ると、親の白狼が倒れていたので直ぐに駆け寄る。


「あっ、傷だらけね、鑑定、あっ、え~、毒でもやられているの困ったわ、確か毒消しの薬草もあったけど効くのかしら、エッイ女は度胸ね試してみるか」


エリナは出血の凄い部分の傷だけ治癒魔法で傷を塞いでから、毒消しの薬草を粉々にして水魔法の水で溶かして温めてから白狼の親に呑ませる。


「取敢えず、毒消しのポーションだから飲んでね」


しばらくして鑑定で白狼の親の状態を見ると何とか効いたようだった。


 毒消しの即席のポーションが効いたようなので、エリナは改めてすべての傷を治癒魔法で完治させたら、魔力切れで眠くなってしまい白狼の親のお腹の上に頭を乗せて眠ってしまう。


 エリナが親のお腹に頭を乗せて寝てしまうと子供の白狼もエリナに寄り添い一緒に眠り、気が付いたら次の日の朝になっていた。


「うっん、うん、冷たい、あれ、あっ、大丈夫みたいね、あ~、私って魔力切れで寝ちゃったのね、ワァー、可愛いわね、モフモフだわ、あ~ん、そんなに舐めないでよ、うふふ・・」


エリナは白狼の子供を抱き寄せると顔をペロペロと舐められて、エリナも白狼の子供のモフモフを堪能する。


「グゥ~、グゥ~・・あっ、お腹空いたわね」


エリナはお腹が空いたので異空間収納から一角ラビットの生肉を出すと、一つを親の白狼に上げると食べてくれた。


 もう一つの生肉を出して香草も出して刻んで一緒に軽く火魔法で炙って焼いて、子供にも焼いた肉を分け与えてエリナも食べる。


「もうお別れしないとね、元気でね」


エリナは肉を食べる終えると別れないといけないと思い立ち上がる。


 エリナは別れを覚悟して立ち上がると、ステイタス画面が勝手に出てきてティムしますかYES、NOと表示されたので、勿論YESを選択した。


「名前を付ければ良いのね、親の方は雌だからハクランでどうかしら、雌の子供の方はコランと命名するわ」


白狼の親子に名を付けると身体が光り出してエリナと共に光に包まれて、パスが通じたのか光が収まる。


「よろしくね、ハクラン、コラン」


「はい、よろしくねエリナ」


「エリナよろしくね」


ハクランとコランの声が頭の中で聞こえた。


「あっ、これって念話というものね、何だか変な感じたけど会話ができるっていいわね、さてとこれからどうしようかな」


「エリナは街へ行くのではないのですか」


「うん、行きたいけど、あなた達を連れて行って大丈夫なのかな、私も隔離された生活してたから、常識をあまり知らないのよね、それにまだ四歳児だもの」


「そうですか、それでは私達の住処にでも行きますか」


「うん、そうね、雨風を凌げれば良いわよ、連れて行ってくれる」


「それでは私の背に乗って下さい。出来ればコランも抱いてくれますか」


「うん、喜んで、コランお出で」


「うん、抱いて」


エリナはコランを抱いてハクランの背に乗ると、ハクランが走り出して森の中を軽快に走る。


 ハクランが走って森の中を抜けると小高い崖の下の横穴に洞窟があり、その中に入ると中は割と暖かかったので、エリナが異空間収納から蝋燭立てと蝋燭を出して灯りを付ける。


 それから今まで狩った一角ラビットの皮を縫い合わせて寝場所を造り、そこでハクラン達と眠れるくらいの広さが確保された。


「これで寝場所は良いわね、ねぇ、ハクランこの辺の森って食べられる魔物とか居るの」


「う~ん、それが問題なんですよ、この辺には殆ど魔物が居なくて遠出したらゴブリンの集団に不意打ちされて毒の付いた刃物で斬られてしまったのです」


「それは困ったわね、魔物が居なくなった理由で何か原因があるの」


「多分ですが、どこかで強力な魔物が現れて引き寄せられたようです。どこかでスタンピートが起こるかも知れませんね」


「あれ、ハクランは大丈夫だったの、その魔物に引き寄せられなかったの」


「私達は神獣なので魔物とは違うので影響は受けません」


「神獣? 神獣って、まさかハクランはフェンリルなの」


「そうです。ただ最近になって進化したばかりなので、まだそれほどの力はありませんが、エリナと従魔契約しましたので第二フェイスに進化できました」


「第二フェイス? それでどうなるの」


「主であるエリナと共に成長するという事です」


「う~ん、主が私で良かったのかな」


「はい、契約できましたので、主の資格があるという事ですよ、資格のない者とは契約できませんから」


「そうなの、まぁ、いいか、しかしスタンピートか、どうにか止めなくちゃいけないけど、四歳児の私ではどうにもできないよ」


「とにかく、襲われそうな街へ行って知らせるのが一番だと思いますよ」


「どこかの街が襲われるか分かるのハクラン」


「はい、予測は付きますよ、行きますか」


「うん、間に合うのなら行こう、私に出来るのはそのくらいだもの」


「それではまた、私の背に乗って下さい」


「うん、コランおいで」


エリナはコハクを抱いてハクランの背に乗り森の中へ走り出す。


「ねぇ、ハクランどのくらいの規模になるのかな」


「私がサーチする限り、まだ然程集まってない様ですから時間はあると思います」


「そうなの、取敢えず急ぎましょう」


エリナはハクランの背に乗ってとにかく襲われそうな街へ急ぐ。


 エリナ達が森の中を二時間ほど走り抜けていくとようやく森を抜けて街道にでると、そのまま街道を走ると防御壁が見えてくる。

お読み頂きありがとうございます。

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