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エレナは奴隷の白狼族の女の子を買う。

この作品を選んで、お読で頂き、ありがとうございます。

この物語はフェイクションです。


物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。

 エレナは翌日になって旅支度の為に公爵家直営のユリシアナ商会の開店に間に合う様に買い物へ行こうとしたら、お爺様も一緒に行くと言われて共に馬車に乗り街路をゆっくりと進む。


「お爺様、別に買い物でしたら、私一人でも行けますのにお忙しいのでしょう」


「いいであろう、可愛い孫と一緒に居られる時間は限られておる。エリナが居るうちはこうして一緒に居たいと思っているだけだ」


「そうなんですか、分かりました」


エリナは過保護なお爺様に仕方がなく応じるしかなかった。


「あっ、あの子はなぜ鉄格子に入って運ばれているんですか」


しばらく車窓から街並みを見ていると鉄格子の付いた馬車に運ばれている女の子を見つける。


「あ~、あれは奴隷じゃな、どうも片腕が欠損しているな、処分でもされるのかもな」


「あっ、あの子は白狼族の女の子なのね、お爺様、私あの子が欲しいです」


「あぁ、なるほどの、確かに良い素材ではあるが、片腕が欠損してるがどうなんじゃ、使えないのではないか」


「大丈夫ですよ。、私が何とかしますよ」


「エリナ、まさかと思うが再生出来ると言うのか」


「うふふ、出来ますよお爺様、私はお母様の娘ですもの」


「いやいや、レイミナは確かに魔法の天才ではあったか、欠損した部位まで再生は出来んかったぞ、はぁ~、エリナは天恵持ちじゃったな分かった。おーい馬車を止めてくれ」


「はい、畏まりました」


御者が直ぐに馬車を止める。


「おーい、その白狼族の子を買うぞ」


「えっ、あっ、公爵閣下ではございませんか、この子を買うのですか」


「あぁ、そうじゃ、何か問題でもあるのか」


「問題というか、見ての通り片腕が欠損してますから、それでも買うのですか」


「どうせ殺処分するのであろう」


「いいえ、流石に殺処分は致しませんよ、まだ若いですから繁殖用にするんですよ、優秀な奴隷と交配させるんです」


「いや、若いってまだ幼いであろう、いくら奴隷でも法に触れるぞ」


「勿論成人する15歳までは致しませんよ、片腕でも商会の女中をさせる心算です。まぁ、この子は別の奴隷商が逃げる時間稼ぎの為に森の中に魔物の餌として捨てられてしまったのを拾ったわけですけどね、ちょっと助けるのが遅かったのですがね」


「それでいくらで売るんだ。今決めろ」


「あの公爵閣下、店に来て頂けますか、一応奴隷契約をして頂くので街路の真中では流石にね」


店主は周りを見回して公爵様に伝える。


「そうじゃな、分かった。行こう」


お爺様は即答して馬車へ乗り込み奴隷商会へ向かう。


 奴隷商会へ着くとエリナもお爺様に同行して店内に入ると、中は綺麗で商会と言うよりもお屋敷のような造りをしていて、応接間に通されてソファーに座る。


「あの公爵閣下、そちらのお嬢様はレイミナお嬢様のお子さんですか」


「あぁ、そうじゃ、可愛いだろう、エレナだ」


「そうですね、レイミナお嬢様にそっくりですね、きっと美人になりますね、残念でしたけどね、お亡くなりになったと聞いて私もショックでしたよ」


「そうか、あの奴隷はエレナが欲しいと言ってな、安くしてくれんか」


「あの私が買います。値段を教えてください」


「えっ、でもエレナお嬢様は奴隷を養えるのですか、飼い主は奴隷を養う義務があるんですよ、いくら公爵閣下のお孫さんとは言え義務を果たせなければ売れませんよ」


「あの私は冒険者をしてちゃんと収入はあります。これをご確認ください」


エレナは異空間収納から冒険者証を出して店主に見せる。


「えっ、異空間収納を使えるのですか、五歳くらいですよね、凄いな、えっ、Dランク冒険者ですか、あ~、あれですかジャイアントサイクロプスを焼き殺したのはエレナお嬢様でしたか」


「そうじゃ、その魔核は儂の屋敷の玄関ホールにオブジェとして飾っておるぞ」


「ふ~ん、それに従魔が二体シルバーウルフの親子ですか、それも凄いな、分かりました。では50万ルディでいかがですか」


「あのその冒険者証の口座から引き落とし出来ますか」


「えぇ、勿論出来ますよ、冒険者ギルドと提携してますからね。冒険者の方も奴隷を買い求めますからね。まぁ、何と言いますがパートナー兼伴侶として買い求める方が居るんですよ」


店主は店員にエリナの冒険者証を渡して代金の精算させる。


「えっ、そうなんですか、でも奴隷を伴侶にする事が出来るのですか」


「はい、出来ますよ、買い求めになる時にそういう契約にするんですよ、孕ませたら奴隷紋を解呪して妻にする契約ですね、そう言う契約の方にしか売りませんからね」


「そういう事だぞ、エリナ、奴隷契約に違反したら奴隷落ちになるのだぞ」


「そうなんですか、でも避妊の呪術を掛ければ永遠に妊娠しませんよね」


「奴隷に避妊の呪術はかけられません。もしかければ呪術を二重に掛ける事になり法律違反になり罰せられます」


「あの奴隷紋を勝手に解呪したら罰せられますか」


「それは当事者同士の問題になりますね、奴隷紋の解呪を術式なしで解呪するには可なりの魔力量とスキルが必要ですし、解呪して逃げられても当事者の問題ですので罰せられません」


「解呪の術式ですか、それはいかなるものですか」


「それは奴隷商に取って術式は門外不出のものですから教えられません。なので白狼の子の解呪は当店では出来ません。他所の奴隷商の術式なので当店では扱えないのです。奴隷契約は共通なので出来ますがね」


「奴隷契約は共通なのですか、それは奴隷商同士でも売り買いがあるからですか」


「はい、お客様の要望で他店からお客様の要望に合う奴隷を探して売買する事はありますね、奴隷になる条件は借金奴隷、罪人奴隷、後は奴隷同志の繁殖で産ませた子を奴隷として扱えます。それ以外の方法で奴隷にすると厳刑されて奴隷商の資格をはく奪されます」


「あのさっき、拾ったと言いましたが、それは違反にならないのですか」


「あ~、それは大丈夫です。他所の奴隷商が破棄又は廃棄した奴隷を拾うのは無償の売買とみなされます。ですから一般の方が拾ってご自分の奴隷にするかまたは奴隷商に売っても違反になりませんが、前者の場合は奴隷契約する際に手数料が取られます」


「なるほど、勉強になりました。教えて頂きありがとうございます。私も森の中によく行くので、奴隷商が魔物に襲われて奴隷を時間稼ぎで破棄する場面に出くわすかもしれませんので参考になります」


「そうですね、冒険者をしていればそういう場面に出くわす可能性もありますからね、私どもの所にも冒険者が売りに来る事がたまにありますからね、冒険者証と明細書です。お返しします」


「あっ、はい、確かに」


エリナは直ぐに冒険者証と明細書を異空間収納に仕舞う。


「はい、それでは奴隷契約を致しますね、この術式陣の中にお入りください」


奴隷商が立ち上がり床に術式陣を展開させて、その上に白狼の女の子を立たせるとエリナも立たせる。


「エリナ様、人差し指に針を刺して血をこの子の奴隷紋に付けさせて頂きます」


「あっ、はい、どうぞ」


エリナは右手の人差し指を店主の前に差し出すと、店主が優しく握り針を刺して血を出させると白狼の子の奴隷紋にエリナの人差し指を擦り付けて血を塗りながら小声で呪文を唱える。


 店主が小声で呪文を唱えると白狼の子の身体が光始めて、呪文を唱え終わると、白狼の子の身体からパァーと光を放ち収まり、床に展開していた術式陣も消えて奴隷契約書が二枚が宙に浮いた。


「はい、これで奴隷契約は完了致しました。これが奴隷契約書ですので大切に保管してください」


店主は宙に浮いた奴隷契約書を手に取り、二枚のうち一枚をエリナに渡す。


「はい、ありがとうございます。良い買い物が出来ましたわ」


エリナは白狼の子を見て微笑む。


「うん、それじゃ、これで失礼するぞ、また機会があれば来るからの」


「はい、またのお越しをお待ちしております」


店主は笑顔で御爺様とエリナを商会の玄関先まで見送る。


 エリナは白狼の女の子と一緒に馬車に乗ると、直ぐに白狼の女の子の欠損した右腕を両手で優しく包む様に取り、魔法を掛けて金色の粒子の混ざる白い光を放ち再生魔法を掛けて右肘から手首そして手と再生していく。


「はい、終わりと、どうかな動くかしら」


「おぅ、見事な再生魔法だな、本当に出来るとわな、はぁ~、五歳の孫の将来が心配だな」


お爺様は驚きと呆れと将来の心配までする複雑な心境となる」


 白狼の女の子は失った右肘から右手を見て、目をぱちくりとしながら不思議そうな表情をしながらゆっくりと右手をグウパーすると動いてビックリする。


「あっ、動いた。作り物ではないのですね、・・・・」


白狼の子は作り物かと思っていたけど動いてビックリして、しばらく動かしていると感覚が戻って来たのか、自分の手が復活した事に涙して喜ぶ。


「うっ、動く動きます。感覚が戻ってきました。うん、すう、ありがどう、もうダメかと思ってました。うん、すうす・・・」


「うんうん、これで大丈夫ね、あっ、この事は内緒よ、私の秘密なのよ、お爺様、この子にも商会で装備一式買いますね」


「まぁ、好きにするが良い、ほれ小遣いじゃ、仕舞っておきなさい」


お爺様はカバンから巾着袋を取り出してエリナに渡す。


「お爺様、小遣いのわりには随分と入っております。100万ルディくらいありますけど」


「気にするな、孫にいくら小遣い上げようが儂の勝手だ。仕舞っておきなさい」


「あっ、はい、ありがとうございます」


エリナはお爺様に言われて、お礼を言ってから巾着袋を異空間収納に仕舞った。


「あっ、ところでお名前と年令を教えてくれる」


「あの、私は忌み子で親に見捨てられて小屋で監禁されて育てられて、名はありません。狼人族の村の掟に従い12歳で奴隷商に売られたのです」


白狼の女の子は悲し気な表情で語る。


「忌み子って、そんな、こんなに可愛いのに」


「まぁ、獣人の国では種族ごとに街や村を形成している所が多くてな、種族によっては色味が違う子が産まれると忌み嫌われてな、儂の所に居る獣人の従者達は皆が忌み子として売られた者達なんだよ」


「はい、そうです。昔は産まれた段階で殺されてましたが、今は法で禁止されています。12歳まで育て奴隷商に売り村の資金源にする様に法で定められているんです」


「まぁ、国としては苦肉の策と言ったところかの、そうでもしないと殺されてしまうからな、忌み子として生まれた子は奴隷として生きて貰う方法を国が選択したという事だ」


「なんか世知がないですね、え~と、ユランと名付けるわね、名前がないと不便だから、良いわよね」


「ユランですか、素敵な名前ですね、嬉しいです」


「ところで、お爺様、奴隷も冒険者登録出来ますか」


「いいや、従魔と同じ扱いになるな」


「う~ん、そうですか、奴隷紋の解呪にはもう少し浄化魔法のレベルを上げませんと使えないわね、仕方かないですね、しばらくは我慢しますか」


エリナはステイタス画面で解呪の魔法が使えるか調べると、まだ使えない事が分かった。


 それから公爵家直営の商会へ行って、大きなテントと食材と調味料と食器と旅に必要な物を購入してから、ユランの装備一式と双剣と普段着と下着類を購入する。


「あの良いのですか、私にこんなに買って貰っても」


「いいのよ、必要な物だもの、それに私の護衛兼世話係をして貰うからね、小遣いもちゃんと出すわね、いずれは奴隷紋も解呪する心算よ良いわね、ユランは奴隷ではなく飽くまでも私の従者だからね」


「はい、その様に振舞います」


「明日の早朝には、私の拠点でもあるルドルファン伯爵領に帰るから、よろしくね」


「はい、畏まりました」


ユランは恩人であるエリナの期待に応えて仕える事を決めた瞬間である。


 それからお昼前に公爵邸に帰ると、ユランを兄夫婦に紹介してからハクランとコランにも紹介して協力し合う様にお願いすると、ハクランとコランもユランを歓迎した。

お読み頂きありがとうございます。

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てことは違法の奴隷商の取り締まりもちゃんとしてるのかな?
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