絶望の日中編
チンピラ達に向かって叫ぶと俺の言い分を聞いた人もチンピラ達を見ながら呟く。
『まさか死者を使ってかけているなんて』
『最低だな』
『不謹慎にも程があるわ』
チンピラ達の陰口が叩かれていると分が悪くなったかこの場に去るように走り去っていき片目のおっさんがこっちに近づいて礼をする。
「すまない、まさか子供に言われてしまうなんて大人失格だ」
「そんな事はありません、貴方達はこのトウキョウ王国の平和を待ってくれていますので元気を出してください」
翔が片目のおっさんを慰めるとおっさんは元気を出して空に指を指しながら言う。
「申し訳ない、君たちは急いで家に帰りなさい」
少し空を見ると太陽が傾いて夕方になろうとしていた。
「分かりました、響また学校で」
「オウ、またな」
「バイバーイ」
俺達は街道で解散して自分の家に帰る。
「ただいまー」
「お帰り」
家の中に入ると久々にお父さんがいた。
「お父さん!」
月はお父さんが帰っている事に喜び、お父さんに向かって抱き着く。
「ハハ、月お前は甘えん坊だな」
お父さんは少し笑い抱き着いている月の頭をなでる。
「響あれは如何だったかい?」
お父さんにあの事を全部伝えるとお父さんの顔が徐々に険しくなってくる。
「そうかまさか死者を使って賭博をするなんて」
お父さんが考え事をしているとお母さんがナプキンで手を拭きながら会話する。
「最近は変な事件が起きるわね」
「そうだな、子供たちも気を付ける様にしないと」
お父さんとお母さんが難しい話をすると月が俺の隠し事を言う。
「そういえばお兄ちゃん魔法使いになりたいって言っていたよ」
「月! お母さんがいるときに……」
このままだとまずいと思って急いでごまかそうとするがすでに遅かった。
「響それは一体どういうこと!?」
お母さんは今まで聞いた事が無いくらい怒っていた。
今でお母さんは少しか起こって事が無いのになぜか巻き込みたくないような声で起こっているが黙っていた事を誤る。
「ごめん、お母さん心配させたくなくて黙るつもりだったけど俺は本気何だ!」
自分の気持ちを伝えるとお母さんは顔に手を付けて椅子に座り込む。
「貴方、言っていることわかっているの? 魔法使いは危険なお仕事よ!」
確かに危険な事は分かっているけど昼間の時を思い出すと自分の何かを否定するような感覚が感じてしまう。
「けど、昼の事を見れば引けないよ!」
あんなのを見れば絶対にひけないと言うと黙っていたお父さんの口が開く。
「分かった」
「お父さん」
「貴方!」
お父さんが味方してくれるけど少し暗めな顔をしている。
「その代りお父さんが帰ってくるまで地下室のカギを身につけなさい」
お父さんが投げ渡したカギを貰うと紐を通す部分はハートの形をしていた。
「これを身に着ければいいの?」
「アア、他の人にも見せるな」
お父さんが顔を近づけてきて少し驚き今まで一度も見た事が無い表情で一瞬身体が固まりそうになりかけた。
「だけど風呂や寝る時なら外してもいいぞ」
「ワッ分かった」
身に着けると鍵が少し重く首が凝りそうになるがお母さんが呼んでくる。
「それよりご飯よ」
急いで椅子に座ってご飯を食べた後は風呂に入って就寝したけどお父さんの顔が一度も離れなかった。
暫くして学校が終わると翔が月と一緒に見せたいものがあると言ってきたかあの川に行く。
「翔見せたいものってなんだ?」
「ちょっと待って…」
そういうと四角い鞄の中を探り少し経つとようやく見つけたか一つの本を出す。
「何だよそれ?」
見た感じは本だけどなぜか目や牙みたいなものが付いていた。
「コレは裏道で見つけたけど、なぜか全然開かなくて」
少し見て観るとボタンが付いて試しに本についているボタンを取ってみるとかなり硬くて全然開かない。
「だめだ、これ全然開かないぞ」
月もやってみるが全然ダメだった。
「お兄ちゃんお父さんのカギを使うのは?」
「月それは無理だろ」
お父さんがくれたカギは地下室でこの本はカギ穴が無いから無理だと思いつつカギをかざすとさっきまでとの違い簡単にボタンが外れた。
「行けた―!?」
簡単に取れることに驚いているけど翔新しいおもちゃを手に入れた子供のように目を輝かせた。
「響凄いよ! そのカギ何所で手に入れたの?」
「エッと実は」
翔にこのカギについて教えると初めて聞いた事だと知り俺に聞く。
「響の家に地下室があったの?」
「イヤ、昨日までは知らなくて魔法使いになると言ったらお父さんが教えてくれた」
「だけど大丈夫なの?」
「アッ!」
そういえば誰にも言うなって忘れていた!
このことがバレると魔法使いになれないと思い急いで翔に約束する。
「御免けど俺の親に内緒にしてくれよ!」
「うん良いよ、本を開けるようにしてくれたしそれなら良いよ」
このことは黙るらしく一安心すると大きな音がする。
「何だ!?」
「守護壁の方から聞いたよ!」
何か嫌な予感がして急いで守護壁に行くと他の人たちが集まっていた。
「お兄ちゃん一体何が起きているの?」
「分からないけど俺から離れるな」
「うん」
守護壁は確か全長五億メートルだからどんな魔物も届かいないようになっているから大乗だけどなぜ不安が拭えない。
「大丈夫なのか?」
「大丈夫だろ、だってこの壁の高さ五億だろ? 五億越えの魔物なんて――」
他の人が喋っていると地面が揺れるのと轟音が聞こえ守護壁の方を見ると信じられないものを見る。
「何だよ、あれ?」
守護壁を見ると人の頭をして顎はいくつかもあり両腕は鎌で出来て前進は骨で出来ているくらい白いが怪物が悠々と覗き込んでいる。
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