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ソウルサクリファイス・業魔の書物  作者: 佐々牙嵯峨兎
3/22

絶望の日前編

少しグロ表現が出てきます。

「お母さん、今日は月と一緒に遊びに言ってきマース」

「気を付けるのよー」


 俺は妹の月と待ち合わせの場所に行く。


「月早くいくぞー!」

「待ってお兄ちゃん」


 月は少しのんびりだけど少し大事な事だから月の所に行き背負う。


「これなら急いで行けるだろ?」


 背負うと月が笑顔になる。


「ありがとうお兄ちゃん」


 月が喜ぶと力が溢れていく。


「よし、早くいくぞ!」


 月に負担が掛からない速度で約束の場所に行く。


「お兄ちゃん凄い! 鳥さんみたい!」


 月が子猫のようにはしゃいで喜ぶ。

 月の喜ぶ姿を微笑み気付くと約束の場所についていた。


「月着いたぞ」

「うん」


 月を下ろすと俺と同い年だが分厚いうえにすごく難しそうな本を読む人がいた。


「ワリィ、待っていたかショウ?」

「ううん、ヒビキと月ちゃんが来る時間を計算してきて少ししか経ってないから大丈夫だよ」


 翔の親は学校の先生だからかなり頭がよくて少し羨ましく見えてくる。


「羨ましいぜ、お前は頭がよくて親から褒められてコッチは少し悩んでいるのに」

「逆にそっちの方が羨ましいよ、運動神経抜群だし僕は少し走ったら息切れするよ」

「翔さんとお兄ちゃんもうすぐ来るよ」


 月が門に指を指し会話を止めて街道に近づく。

 門が開くと街道の近くにいた人が黙り静かに見つめる。


「お兄ちゃんなんか怖いよ」

「アア、わかっている」


 月が俺の手を繋ぎ少し怯えた声で名前を呼ぶ。

 妹が目をつぶりたくなるのは傷だらけになっている人たちが進んでいた。その中にも片方腕が無く馬車の中にいる人は雑な治療で少し内臓が見えて恐怖を増幅させるようなことが見えるが俺達は目をそらさず見続ける。

 すると街道に一人の老婆が片目の黒フードのおっさんに近づく。


「息子は、うちの息子は無事ですか!」

「ご子息の方ですか」


 片目のおっさんは悔しさのあまり歯を食いしばって伝える。


「申し訳ありません、息子さんは負傷者を守るために戦死になられました」


 その事実を伝えると老婆が地面を着き泣いているがどこか喜んでいた。


「そうですかあの子は優しく協調性があり自慢の息子でした」


 お婆さんの息子さんの冥福を祈ると誰かの声が聞こえて耳を寄せる。


「負けちまった、まさか身代わりになるなんて」

「ふざけんなよ! 身代わりになるなんてクソだろ!」


 それは聞き捨てならないことを聞いてしまい思わず叫ぶ。


「ふざけているのはお前らの方だろ!」


 声がする方に叫ぶと二人の男が気分が悪そうに振り向く。


「何だよ、クソガキ」

「俺になんか文句あるのか?」


 俗に言うチンピラ達が俺たちの所に近づき睨んでくるが俺は覚えず二人の男の顔を見ながら叫ぶ。


「大ありだ! 亡くなった人の親は悲しいのにお前らは暢気になくなった人を賭けするなんて最低にも程があるぞ!」

もしよかったら良いねと感想とブックマークとレビューをしたら嬉しいです。

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