44 危うきに近寄らず!
わたしはようやくついたその国の門兵に、アテナにもらった顔の認識不可魔法のかかったフードを着て挨拶をして、国へ入った。
国家騎士を殺したっていう情報がどこまで行ってるかわからないからね。
わたしがそうして国に入り、一番に目に入ったものは『サイコー温泉!!』の広告。
ま、まさか!この国には……温泉がある……と!
こっちの世界に来て、水浴びはしたけど、温泉なんて一回も入ってない……。
問題の式典までにはまだ1日あるし……
よし!入りに行くか!
わたしは白と青でそろえられた街並みの中で一人ガッツポーズをする。
……。
視線が痛い。
……。とりあえず行くか。
わたしはその広告にあった地図に沿って、温泉へ向かう。
道のりでは、青のステンドグラスや白の壁など、宗教の規制でかはわからないけど、統一されていて綺麗な街並みが視界を横切っていく。
そうして歩いていくと、目の前には大きな白の壁がある。
「ここが温泉かぁ。」
つい呟いちゃうくらいのすごい建物!
わたしが迷わずその中へ入ると、そこには男の人と女の人が分かれるようになっていて、女の人の方に入り、着替え、浴場に入った。
これまたすごい!
丸くて広い浴槽から、うたせ湯、露天風呂まで……!
「テル〇エ・ロマエかよ……。」
すごすぎる。
わたしはさっさと体を流し、早速お湯につかることに。
さてさてさ~て、どれからつかろうかな~~!
わたしは10個近くある浴槽から、一番大きな四角のお風呂につかることにした。
「ふぅ。」
そうそう、温泉と言ったらこの感じ!
使ったときに自然に出るこの声とか、ちょっと肌がジンジンする感じとか、やっぱりこれだよね!
と、わたしがそうしてホカホカしていると、
「団長―、行きましょうよ!」
後ろからけたたましい声が聞こえてきた。
わたしはその声につい振り返った。
すると、そこにはピンク色の肩まである髪の毛の女の子と、その横で「団長!」と騒ぐ茶色の肩より少し下くらいまである髪の毛の女の子がいる。
う~ん、まあ状況からしてあのピンク色で肩までの髪、ついでにアホ毛が目立つ彼女は何かの団長で、もう一人の子は団員と言ったところかな。
わたしがそうして、暇をつぶすように観察していると、ピンクの彼女はこちらには全く気が付かづに、頭にタオルをのせて茶色の彼女に
「まぁまぁ、ゆっくりしようよ~。」
とずいぶんとのんびりしている。
それを見て茶色の彼女は、ほほを膨らませてこう言う。
「いえ、騎士団長として働いてくださいよ!」
これはビックリ!
あの一見弱そうな女の子がまさかの気師団長様!
機会があったら話しかけてみようかと思ってたけど、そんなことしなくてよかったぁ~。
もしそんなことしてたら、正体がばれたとたん……打ち首!
危ない危ない。
わたしは、[危うきに近寄らず]ってことで、ここの温泉を去ることにした。
にしてもあのピンクの子、妙に安心する顔してたなぁ~。まぁ、話しかけなくて正解だったけど。
そんな思いと共に、この温泉を後にしたわたしは、次に本題の場所へと向かった。
そう、式典の中心となる場所、アードの聖堂。
式典は明日とはいえ、聖堂の中はすでに式典の準備のためか豪華な飾りつけのようなものがしてある。
さてさて、今日のうちに視察でもしておきますか~!
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