39 始めよう!次代の魔王、その歴史を。
「いやぁホントに見事だったよ~!」
アテナ言った。
わたしたちは、戦いが終わって草原に二人で座り話していた。
「ううん、アテナも強かったよ。」
わたしは言う。
「当たり前だよ!なんて言ったって、ここの国の王、すなわち魔の国の魔王はあたしだから!」
「え!?そうなの!!?」
さすがに驚きが隠せない!
って待てよ、魔王ってことは
「仲間じゃ~ん!」
わたしの言うことにアテナは首をかしげる。
「どういうこと?」
「わたしも魔王ってスキルみたいな称号みたいなやつ、持ってんだよね~!」
と、わたしの放った、特に何もない何気ないその一言に、アテナは開いた口が閉まらないとでも言いたいかのように口を開け、ものすごく驚いているのが、見ていてよく伝わる。
とはいえさすがにその驚き方は異常。わたしは
「ど、どうかした?」
と少し小さな声で尋ねてみる。
すると、アテナは声を張り上げ、口を開けたまま言う。
「あ、あ、あ、あんた、い、いや、貴方様は、魔、魔王の称号をお持ちだと?!」
「いや、アテナも持ってるんでしょ~?」
わたしはそう言いながらステータス表を出してアテナに見せ、わたしも見る。
「どう?見える?」
わたしが言うと、アテナは震えながら言う。
「え、ええ、見えます!見えますとも!」
なるほどね~……、ステータス表は自分だけが見れるわけじゃなくて、見せようと思えば他人にも見せられるんだ~。
「ってえ?!」
わたしがステータス表からアテナの顔へと視線を移すと、そこには涙を流すアテナがいた。
「すみません……。」
アテナは涙をぬぐって言う。
「つい、なつかしさに……。」
わたしはそんなアテナを抱き、
「何があったの?わたしに教えて……。」
そう言った。
アテナはしばらく泣いた後に、少し落ち着いたようだった。
そしてアテナは言う。
「あたしは、ですね、1200年前に最悪の魔王と呼ばれた、アルクア様に仕えていたのです。そして、アルクア様がこの国に住む魔族や魔物を守るため勇者と戦うため、国を出ていくときに、こう言い残したのです。
『1200年後、我と同じ魔王の称号を持ったものが現れるであろう。その者は我よりも多大な力を有し、魔族を導くであろう。いいかアテナよ、もし我が返らなければ、次代の魔王の再来を待て。その者が現れるまでここを守るのはお前だ、アテナ。』と。」
アテナは間を開けて言う。
「それからあたしは、ここを、この国を守り続けてきました。そしてアルクア様のおっしゃった1200年が経過し、魔王のあらわれる年になり、あたしは魔王を名乗り、勇者側に宣戦布告をし、次代の魔王様を待っていたのです。」
なるほど……。
わたしは今まで、異世界から召喚されて、ゴミみたいな魔物になって、強くなるためにいろいろなことをして、それは必然だったわけだ。
わたしが魔王になるのも。
なら、ここからが、必然じゃない、わたしの道。
わたしは、微笑み、アテナの方を見て言う。
「始めよう!次代の魔王、その歴史を!」
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