38 魔王の力
わたしは亜空間から取り出した剣で、迫ってくる暗黒の石たちをはじいていく。
しかし、その石たちははじかれた後も鋭利な部分をこちらに向けて、またもや向かって来る。
キリがない!
そんなことを考えても仕方がないのかもしれない、
わたしはとにかく、迫りくる石たちをかわし、はじく。
しかしそんなことをしていても、すべてをはじくことはできない。
切り傷が増加すると共に、HPが減少していくのが、ステータス表を見なくたってわかる。
ただ、こうしてはじいて、みていると、この石たちは一つ一つ、黒のオーラをまとっていてアテナの黒い魔力が宿っているのがわかる。
まあ、分かったところでそれが何かって話なんだけど……。ん?
いや、使えなくもないかも!
わたしは、石たちが迫りくる中、剣を捨てる。
「あれ、観念した感じ?」
アテナは言う。
いや違う。
わたしは右手を前に突き出し、人差し指と中指以外を握り、その握っていない二本を同時に下へ動かす。
アテナは疑問の顔だ。
しかし、わたしが指を動かし、止めたその瞬間。
顔まであと数センチという石や、弾かれこちらに鋭利な部分を向かせた石まで、すべてが動きを止め、
カラン
そして地面へと落ちる。
アテナは、今までにない驚きの顔を見せ、
「どういう事、かな?これ、必殺技の一つなんだけど?」
そう言った。
わたしは、今度は余裕の表情で言う。
「簡単な話、わたしのスキルでアテナの魔力を操作して、そこの石から魔力を抜いたんだよ。」
わたしがそう言った瞬間、わたしの視界内には、またアテナはいない。
しかし、わたしは余裕の表情を崩さずに右手を右へと動かす。
そしてその手の平を握ると同時に、アテナの蹴りがそこに入る。
「なに?!」
アテナのその叫びをわたしは無視して『爆炎大魔法』で爆撃を、わたしの右に向かって容赦なく放ち、右手を離す。
アテナは、わたしに右足をつかまれていたせいでその攻撃がクリーンヒット。思い切り後ろへ飛ばされていく。だた、アテナは飛ばされる中で左手を開き、電撃をこちらへと飛ばしてくる。
残念!使う相手を間違っちゃってるぜ!
わたしは剣を拾い、魔力加速でアテナの方へと一直線に向かう。走るわたしに電撃は当たるが、わたしの持つスキル『電撃無効』によって電撃は効かず、わたしはそのまま止まったアテナの左に行き、思い切り右足に魔力を込めて蹴飛ばす。
アテナはまたもや吹き飛ばされ、今度は地面にたたきつけられ、そこからは砂埃が舞った。
わたしは迷わずそこへと飛び込み、仰向けになっているアテナに向かって剣を振り下ろす。
するとアテナは魔法を発動し、自分の前に紫色の半透明なバリアを作った。
しかしわたしはそれにかまわず、剣に炎をまとわせそれを振り下ろす。
わたしの剣に、バリアは役目を果たさず割れ、そしてわたしの剣はアテナへと近づく。
そこでわたしは剣を止めた。
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