34 これは完全にやったわ。やっちまったわ。
わたしの奇襲は無事成功。
わたしはゴブリンキングを背後から、横向きに真っ二つにすした。
胴体と足とで切り離されたゴブリンキングは、しばらくじたばたしていたが、すぐに動かなくなった。
わたしは動かなくなったのを見て、証拠のためにゴブリンキングの牙を折って、剣と一緒に亜空間に放り投げた。
いや~、よかったよかった!無事お金稼ぎ完了!
わたしは開きっぱなしの翼を使って王国の方へと戻ることにした。
ビュー……
相変わらず風を切りながら、飛び続けていると、森林の中には見慣れた顔がある。
シスタルク王国内では、きもいほど見たあの顔。
そうサスト。
サストが10名ほどの兵士を連れて歩いているのが目に入った。
やば!
わたしは、少し後戻りし、森の中に着地して翼をしまった。
危ない危ない。もし、国家騎士なんかに見られたらどうなるか分かったもんじゃないからね。
わたしは歩きで王国を目指すことにした。
と、少し歩くと、王国内でわたしがお金をあげたあの子。あの子が座り込んで何かを摘んでいるのが目に入った。
あの子も、ああやってただ座ってたんじゃ何もならないって、きっとわかったのかな。
わたしがそんなことを思って遠目から少し微笑み、前を向いた
その瞬間。
「キャッ」
剣がさやから抜かれる、金属がこすれあうような音と共に、その子の悲鳴が聞こえた。
わたしが焦りそちらを向くと、そこには剣を抜いたサストがいた。
「そんなところで何をしている!俺の進行方向から立ち去れ!!」
サストは、お腹を斬りつけられ動けなくなっている、その女の子に対してそういったのがはっきりと聞こえた。
……あいつ!!
わたしは考えるよりも先に体が動くということを初めて実感した。
そう、わたしはすでにサストの前にいる。
「あんた、今ここで何をしてた?」
怒りにまみれた声でわたしが言うと、サストは笑みを浮かべてこう言う。
「邪魔なごみを処分しただけの話だよ」
「あんたは、国民にあれだけの信頼を寄せられている!なのに!それにこたえる気はないの!?」
「ハ!ハハッハハハハ!ああ、そうだったな!馬鹿な国民どもが俺のことをあがめてやがる!」
わたしは、努力家で尊敬に値する人だと、サストのことを思っていた。
どうやら大きく間違えていたみたいだ。まあ、認識を間違えていた国民に聞いたんだからそうなるにきまってるんだけど。
ま、いいか。
「あんた、そんなこと、わたしに言っちゃっていいわけ?」
わたしが言うと、サストは満面の笑みでこう答える。
「問題ないさ……お前もまとめて処分するからな。」
そう言った瞬間、サストは一気に間合いを詰めて右手に持つ剣をわたしに向かって振り下ろす。
しかし、わたしはその剣を右手の人差し指と中指ではさみ、止め、そのまま剣の刃に触れないように剣をつかみ、左足でサストを蹴り飛ばす。
わたしは、さっきの会話の間にも『ステータス強制開示』でサストのステータスを確認していた。精々5000弱程度。
そんな程度の強さなら、指で事足りる。
わたしは剣を手放し2メートルくらい飛び、木にぶつかったサストへと近づき、さっき奪った剣を、そのままサストの心臓へと突き刺した。
「ごめん、でもわたし、あんたみたいなやつは大嫌いなんだ。」
わたしはついてきていたはずの兵士たちが逃げたのを確認したが、追わずに女の子に駆け寄る。
「大丈夫?!」
「……。」
返事は来ない。
体も冷たい。
でもわたしには……どうしてあげることも、できないんだ……
わたしに回復の力がないせいで……
……。
わたしは女の子を木へ寄りかからせる体制で、寝かせ、国とは違う方向を見て翼を広げる。
「お尋ね者んなっちゃうかな……?」
サストは腐っても国家騎士。そんなのを殺したとなれば、当然国家反逆だ。
わたしはシスタルク王国と真逆の方向へと向かうことにし、また飛び始めた。
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