31 やってきました、人類国家!
シャクッ
こちらの世界に来てから長らく聞いていなかった音がなる。
口の中には目一杯甘い味が広がり、それに紛れてほのかに酸味が広がっていく。
そう!リンゴ!
異世界に来て初めて食べたものは……リンゴ!
ああ、食べ飽きているはずなのになぜこんなにもおいしいのだろうか……。だって久しぶりなんだもーん!
国とか見つけたら、もっと色々あるのかなぁ。やっぱり情報収集もかねて、人類国家を探しちゃおー!
わたしは木々を見下ろせるほど高くまでジャンプし、そのまま翼を開き、向かっていた方向へまた向かい始める。
木々たちは、わたしの視界の上から下へと1秒以内で流れていく。
わたしはそんな光景を眺めながら、ぼーっと妄想を膨らませる。
大きな国とか行ったら、やっぱ名物とかあるんだろうなぁ。おいしいものとか、綺麗なものとか。あとあと、前の世界とかじゃありえない、空飛ぶじゅうたんとか、飛ぶほうきとか!
それに後!悪魔なんて、魔物、だから……わたし、殺されちゃう……?
やばいやばいやばい!!よくよく考えてみたら、わたし、悪魔じゃん?悪魔とか処刑ルート真っ先じゃん?死ぬじゃん!
絶対嫌なんですけど~!?
ん?いやいや、別にわたし悪いことしてないし、そもそも翼しまっちゃえば人間と変わらないでしょ!……多分だけど。
いやでも、人によっては魔力とか見える人とかいるよね?その時、ばれるんじゃない?魔力の色とかでさ!?
う~ん、どうしたものか……。
ってそっか!わたし、『魔力操作』あるじゃん。つまり、『魔力操作』であふれ出しちゃってる自分の魔力を抑え込めばいいじゃんってことだよね!
よ~し、抑えよ抑えよ。
ググググ
……。うん。ま、ざっとこんな感じかな。
だいたい2~300キロくらいは進んだのかなってくらい進んだわけだけど、やっと森も抜けて草原になってきたと思ったら、遠くにとてつもなく大きな壁の塊があるのが見えてきた。
そのままそれに近づいていくと、それは壁に囲まれた国だってことがわかった。
ついにだよ!!
ついに来たよ!!
国だぁ!!
わたしは国の入り口にいる兵に、持ち物検査を受けて無事に入国した。
国の中はザ異世界って感じの国。
お店は出店ばっかで、なんか色々売ってる!おいしそうなものとかたくさんあるし!(ウハウハ)
早速買おうかな!……ってお金、ない……。
わたしは、手っ取り早くお金を稼げそうな場所を探す。すると、
『冒険者ギルド!』
の張り紙が目に入る。
なんで最後にビックリマークをつけたかはさておき、そこに入ると素材の買取のチラシがある。
しかもそのチラシには、わたしが洞窟で拾った蚕が高値で書いてある。
というわけで早速売った。売りました。
そして今、すでにわたしの手元にはドーナツがある。
おいしぃ~~!
いやさすが異世界の食べ物だね~!
なんて食べながらわたしがこの国を散策していると、道の端にボロボロな服を着た女の子がいる。
そこに座っていた。
……。
人間、異世界にいようと、やっぱりこういうとこらは変わらないんだよね……。
皆、見て見ぬふり、か……。
わたしは、その子の前に、そっと金貨を置く。
「あ、ありがとう。」
女の子は言う。
「いいんだよ……。」
別にこんなことをやって何か変わるってわけじゃない。でも、やらなきゃ、いつか心が曇る。
そう思うんだよね……。
っま!それはともかく!
わたしはそこを立ち去り、またギルドの方へ向かう。
お金が無くなっちゃったから、ギルドの依頼を受けて、稼ぎに行かないとね!
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