30 呟く=感動
わたしは、服を作り終えてそれを着てみる。
うん!やっぱいいね!
わたしの作った服は、前の世界なら「中二病」とか「コスプレイヤー」だとかそんな風に言われるやつ。ううん、「コスプレイヤー」ならいいけど、どちらかといえば「中二病」って言われるのが怖い。んま、事実なんだけど。
しかしそう!ここは、異・世・界!
異世界って言ったら、やっぱこういう服だよ!!
ってわけで、灰色と黒でいかにもそれっぽい服を作ってみたんだ!!
スカートは黒ですそが灰色で透けてて、上も基本的には黒、アクセントで水色も入れてみたりはしたけど。
「やっぱ、使い慣れてないスキルなんて疲れるなぁ~」
わたしは、そう呟く。
そして自分でもう、びっくりするって感じでびっくりした!(?)
ん?どういうこと?いやどっちでもいいや!
それより、わたし、呟けたんだよ!今まで呟きたくても心で思うくらいしかできなかったのに、呟けた!! すごい!
ってそんな興奮してる場合じゃないんだ!さっさと、森から抜けて情報とか集めよう!
とわたしは冷静を取り戻して、一度『魔力操作』の感知機能を使ってみる。
飛んでるところを見られて襲ってきたら怖いし。(体大きくなったから)
とその瞬間、わたしの感知範囲はこの森一帯を取り囲むくらいの大きさで広がり、それが頭の中に入ってくる。
うわ!
何?!今まで精々3メートル範囲の魔力を感知してた程度だったのに、なんで急に……ってあ、そうだ進化!
進化でスキルとか、そもそもすべての能力を強化できてんのかな?!すごい!
そうしてわたしが、この森中の魔力で森中を観察してみていると、森の抜け目あたりに、その辺の魔物とかの黒い魔力とは違って、真っ白なすっごい神聖な魔力を持っている生き物が、2体いる。
人間か?まぁどっちでもいっか、さっさと先に行こう!
と、わたしは自分のスキルに感動しつつも、スキルをオフにして、デーモンにある翼を使って、さっき進もうとしていた方角へ進み始める。
バサバサ!
わたしの羽は気持ちのいい音をたて、風を切る。
気持ちいい!!
体は大きくなったけど、速さは進化前の2倍くらいはある!
すごい!
わたしはそのスピードで森の上を飛びぬける。
そうしてわたしは一直線に飛んでいく。
とその時、今まで緑一色だった視界が、急に水色へと開ける。
?!み、湖だぁ~~!!
となりそうになるのをぐっと抑え、わたしは湖の水面のギリギリを切り裂くようなスピードで切り抜けていく。
上には青い空、下には水色の湖面が広がっている。
わたしが視線を落とすと、そこには、わたしの姿が美しく映る。
……?ってえ。
その湖面には、前の顔が映る。
いや、驚いたのはそこじゃない!そこには前の世界にいたときのわたしの顔のまんまが映っている。
よく考えたら、自分の顔、進化して見てない!
わたしは急いで、その湖の湖畔に着地し、羽をしまい、上半身を乗り出して湖面に映る自分の顔を見てみる。
うん、やっぱり前のまんまだな。これ。
でもよかった~!よく考えてみたら、異世界に召喚されて、最弱になって、進化したか知らん人の顔とか、流石にないよね。
わたしは安堵するとともに、もう一つ気になっていたものを見てみる。
それは……そう、髪の毛!!
髪は女の命!髪がどんなかなんて超気になる!
わたしは前の世界では腰の5~6㎝上くらいまで伸ばしてた、こだわりの髪を湖面に移してみる。
あ、まじ?!
わたしはその髪を見て、素直にそう思う。
前は腰くらいまでしかなかったのに、髪が膝の高さの5~6㎝上くらいまで伸びてる。いやまあ、それくらいなら、
いきなり異世界に召喚されて、最弱になって、ちっこくなった、なんていうわたしが今更「まじ?!」なんてならない。
その髪が、頭から毛先にかけて黒から薄い青緑色に代わって行ってる?!
いやビビるビビる!
なんで!?あ、でもわたしってば、そもそも水色の精霊だったし、おかしくもないか。
ならいいや。
と、取り合えず、変化を全部理解したところで、わたしが湖面から顔を上げようと考えたその時!
砂で埋め尽くされていた湖畔に地面が滑り、その状況を頭で理解したときはすでにそのままわたしの前には湖面が近づいてきていた。
「ひっ!!」
バジャーーン
外は緑が生い茂る夏。とはいえ、水に飛び込むのは金槌にとってはまさに命とり!!やばい!最悪なんだけど!?
なんて焦るが、
……てここ浅いわ。
わたしは、湖の水深の浅さに気が付き、足を湖底につけ、直立する。
すると、水は腰辺りまでしかない。
……なーに慌ててんだ。わたし。
わたしは、濡れたことでちょっと不機嫌になりながらも、湖畔に足をつける。
水からわたしが上がると、長い髪の毛からは大量の水が流れ降ちる。
「ああ、もう最悪。」
なんてわたしが呟きながら、着ている服を少し絞ったりしていると、わたしの視界には赤い実のなっている木が入ってくる。
それはちょうど湖に落ちる前に背にしていた部分だ、気付かなくてもおかしくはない。
わたしはとにかく服を絞り続けながらも、その木に近づき、片手で一つ、実をもぎ取り、それを口へと運ぶ。
ついに!進化前じゃできなかった食事ができるようになった!こっちの世界に来てから最初の食事!
と、わたしは期待を膨らませる。
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