01 ボクは一体……。
ボクが目を覚ますと、そこには歓喜に沸くぱっと見て60人くらいのフードを着た人たちがこの大きな空間で周りを取り囲んでいる。
ボク、の横には瑞稀がボクと同じような体制で地べたに座り込んでいる。
ただこの様子だと瑞稀も状況はわかってないのかな。
それもそっか、ボクだってさっきまで「月渚」というただのjkとしてこんなとこ、っていうかこんな世界にはいなかったんだから。
するとボク達の前に一際目立つフードを着た人がゆっくりとした声で
「こんな形で呼び出してすみません。けれど、我らの人類国家を救ってほしいのです。」
と言う。
訳の分からないボクと瑞稀が首をかしげると、そのフードを脱いだ。その顔は髪が真っ白の老人だった。
その老人は
「ああ、すみません。私の名はグロウプ・S・ゲニス、ここにいる魔法使いの統括をしている者です。では、あなたたちを呼んだ理由を言わなければなりませんな。それは1200年前のことです。最悪の魔王と呼ばれた魔王が滅びへと向かったとき、ある予言をしました。『今から1200年後、我以上の力の者に人類は滅ぼされる』と。」
と言った。
そこまで聞いて、ボクは割り込む。
「で?そんな胡散臭い予言の保険として僕たちを呼んだの?」
ボクの質問に、ゲニスさんはゆっくりと首を横に振り口を開く。
「いや、私たちもそう簡単にそんなこと信じてなどいなかったのですが現れたのです。最近になって魔王と名乗るものが。そしてそ奴は言い放ったのです。人類史を終わらせると。」
は~ん、なるほどね。
「つまりそんな予言の最強さんが現れたから救ってほしくて、ボク達を呼んだわけだ。」
ボクの声にゲニスさんは頷いたと同時にこう言う。
「はい、そういうことですじゃ。とは言っても基本的には自由に旅をしてもらいたいっていうのがこの国の方針でしてのぅ。」
「どういうことですか?」
瑞稀が言うと、老人は
「こんなところで話すのもなんじゃ。こちらへ来てください。」
と言って、歩き出した。ボクと瑞稀も立ち上がりその後についていく。
そしてゲニスさんは歩きながら言う。
「旅をいただく理由はいくつかあってでのぅ。他国へのけん制、魔王への聖女の存在のアピール、他国へ借りを創らせる。とまあたくさんあるのです。」
なるほどね、まあ自由っていうならいいけど
「ボクさ、ひとつ聞きたいことがあるんだよね……。」
ボクが言うと、ゲニスさんは黙って前を向いたまま歩きながら頷く。
「ボクとこの子以外にも召喚された友達が4人はいるんだけどさ……。ゲニスさん……その子たちのこと知ってたりしないかな……?」
ボクだって急にこんなところに呼ばれて、その上友達の安否すらわからない。そんな状況で怒らずにニコニコ話せるってわけじゃない。そりゃ、少し怖い声にだってなる。
「そうでしたか……。申し訳ありませんが、その方々の安否を確認することはできません。ですがその方々が魔法陣の中に入っていたなら、この世界のどこかにはいるとは思われます。」
ふうん、そっか。なら旅をするっていうのは好都合なわけか。
つまりこの国はボクたちを旅させたくて、ボクたちはこの世界を回ってみんなを探したい。だからウィンウィンってってことになる訳だ。
ボクが少しの希望を見て少し安心していると
ゲニスさんが立ち止まり、改まった顔でこちらを向く。
ボク達の右にはドアがある。
「今日からあなた方には、この国の聖女としてこの国を救ってもらいたい。このドアの先には聖女としての服があります。それに着替え、国王に挨拶へと向かっていただきたいのです。この国をよろしくお願いします。」
このゲニスさんの言葉に
ボクも
「うん」
瑞稀も
「ええ」
と一言いい、その扉の中に入った。




