18 決意を決めて分身!
カマキリはカマをいつでも振りかざせるように、後ろへと構えてこちらへと垂直に落ちてくる。
わたしは飛ばない体を無理やり飛ばしてうしろへと飛びつつ、そのカマキリに向かって『水氷魔法』で作った大きな氷を撃ち、すぐさま『毒魔法』を構えて『魔力加速』で距離を取る。
おそらく奴はあの氷をたたき割り、こちらに向かって来るだろう。その時に『毒魔法』で……。
と考えていたその瞬間だった。
わたしの『水氷魔法』で生成した氷はカマキリの目に突き刺さり、深緑の液体が飛び散る。カマキリは垂直に落ちそのまま地面に体を打ち付けられた。
!?な、なに?!
どういう事だろう……。
わたしは今目の前で何が起こったかを理解できず、
演技をして近づかせようとでも……。
そう思ったがそれが違うことはすぐさま分かった。カマキリの背面からは大量の深緑の液体(おそらく血だろう)が流れ続けていて、そのカマキリが張り付いていた天井にはその血がビッチャリとついている。そいてカマキリはもう弱り切り今にも死にそうだ。
わたしは念には念をと、『ステータス強制開示』でカマキリの残りHPを見る。
[ステータス]
HP:120/9000
STR:10000
DEF:8500
AGI:9750
MP:6000/7500
SP:980/10000
うっ……。やっぱりわたしとは格の違う化け物のようなステータスをしている(化け物だけどね)。ただ、もうHPは残り120。それも血が流れるにつれてまるで砂時計の砂のように減っていく。もはや死を待つという状況だ。
それでもカマキリは必死に腕を振るわせ、目の前のわたしへと敵意を向けてきている。『敵意感知』にひっかるレベルだ。こいつもわたしのように抗おうとしているんだ。
せめて楽に……。
わたしは『雷撃魔法』で一撃。残りHPの100を削り切った。
するとその魔物の体からは大量の魔力が浮いてくる。
こんなん倒せるのってどんな奴なんだろう?そう思いながらわたしはそれを吸収して、決心をした。
こいつを殺したやつを倒そうと。いや何もかたき討ちだとかたいそうなことを考えてるってわけじゃなくて、単純にそいつを倒してもっと力を手に入れて外に出たい。
もちろん無策ってわけじゃない。まずカマキリを倒したやつを見つけて、あの、サルを灰にした竜。あいつを誘導してカマキリを倒したやつのところにあてる。
流石にあの竜がここの主だろうから、あいつさえいればたいてい問題ナッシング。
でもその作戦を実行するにあたってまず一番大切なのが犯人を割り出すってこと。
だから今まずやることは現場検証!
捜査の基本よ!
ってわけで早速観察。
取り合えず背中の傷から。背中の傷は「斬られた」とか「噛まれた」とかいう傷じゃなくて、なんていうんだろう、爆発したみたいな……。そう、天井に思いっきりたたきつけられて、みたいな感じの傷だ。さっき戦おうと思ったとき、こいつのお腹らへんがへこんでたから少なくとも勝敗の決め手になったのは「お腹あたりをぶったたかれて、ぶっ飛んで天井にたたきつけられて瀕死状態になって」って考えであってると思う。
そこまでの過程はともかく、こんなでかい魔物をぶっ飛ばして天井に打ち付けて瀕死状態にするとか……。まあ、あのへこみ具合から言ってでかいものでたたかれたんだろうなあ。
ここまでしかこの現場検証じゃわからない。
とわたしが推理をしていると今まで時間をかけて吸っていた魔力の吸収が終わり、
<魔力からの性質の獲得により、スキル『温度感知』『魔力身体強化』を入手しました。>
<特定の条件によって、『魔から出来し者』を入手しました。>
と出てきた。
『温度感知』は周りの温度の変化などを感知することができるってスキル、『魔力身体強化』はその名の通り魔力を消費して身体強化をするって能力らしい。(説明文から引用しましたー。)
んで問題は『魔から出来し者』だよね。
『魔から出来し者』は入手するときのログもなんかいつもと違うし……。わたしが試しに特定の条件と書いてあるところを押してみると、
<条件:自分の6倍以上のSTRを持つ相手を倒すこと。>
らしい。
なるほど!確かにあのカマキリ強かったしね。そんで『魔から出来し者』は……MPの消費した割合に応じてその割合分の自分のステータスをコピーした分身体を作るその分身体と感覚を共有できる。だって!
わたしは早速MPを半分使って分身体を作ってみる。
するとわたしの目の前に少し濁った色の光を発しているわたしのようなものが出てきた。『ステータス強制開示』でその分身体を見てみると本当にわたしの半分のステータスの分身がいる。
それじゃあ、この分身体にはこの洞窟の出口を探させて、わたしはあのカマキリを倒したやつを探す。
これでいっか!
わたしは分身体にもと来た道をたどらせ、わたし自身は違う道へ進むことにした。
頼むぜ!分身体!
分身体がいなくなるのを見てわたしは進み始める。
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