13 耳が、耳がぁ~!!……聞こえない。
わたしはとっさの判断で『水氷魔法』で作れる氷をMPの持つだけの大きさで目の前に作る。
その瞬間、キメラは炎を放った。
炎は綺麗に氷によってわたしを避けて行く。
危なかった……。
そう思いながらもわたしは氷を放ち、キメラとは逆方向に猛スピードで飛ぶ。
キメラはその氷を余裕でよけてわたしを追い始める。その間にわたしは少し距離を離す。
まずいまずい!さっきくらった炎、『火耐性』があったからよかったけど、なかったら死んでたかも。だから次くらったら正直きつい。
やられる前にやんなきゃ!
でも唯一使える魔法もMPを使い切っちゃったからもう使えない!どうしよう?!
そんなことを考えながらもわたしは振り向く。
すると、キメラとは少し距離がある。
それを確認し、わたしはもっとスピードを上げる。そのまま進み、分かれ道にたどり着いたその時、
グルルルル
右の道からは明らかにやば気な声が聞こえる。挟み撃ちなされたらたまらない!
とわたしは左へと曲がる。
ん?
っていうか「聞こえる」?
さっきまで聞こえなかったのに?
わたしは飛びながら考える。
最初聞こえなくなった時と違うのは距離くらい。うん、多分距離。たぶんではあるけど、一定距離離れると通じなくなるスキルなのかも。
とわたしの中で結論が出たところで、高速で移動しているときの風を切るような音が聞こえなくなる。
わたしが後ろを向くと、さっきより確実にキメラとの距離が近づいている。つまり、距離がスキルと関係しているというのはおそらく正しい。
ただ、ひとつ脳裏をよぎったことがある。
これ、追いつかれたらほぼ確定で死ぬよね。ということ。
はぁはぁ、だいぶ逃げてる。まあ、飛んでるから息が切れたりしないけど。
とまあそれはとにかく、もう10分は追いかけっこを続けている。ちなみに何度も壁にぶつかってる。
今のところは、音が聞こえるくらいの距離は取りつつ逃げている。
もちろん、反撃をしない気なんてないけどね!
反撃のチャンスをうかがいながらも、わたしは進んでいると、急に開けた空間に出た。
おお!
急に開けてびっくりしたけど、ちょうどいいわ。
わたしはキメラがここに入ってくるであろう入り口の真上で『水氷魔法』を構える。
そう、作戦は簡単。キメラがここに入ってきた瞬間を狙って、死角である頭の上から『水氷魔法』を打ち込む。
とわたしが『水氷魔法』を構え終わると、音が聞こえなくなってきたのがわかる。
わたしは神経をとがらせてキメラを待ち構える。
とその瞬間、キメラは入り口から入ってくる。
わたしはそのキメラの頭に向かって『水氷魔法』を放つ。
しかし、音も聞こえない中瞬発力だけで当てるのも至難の業。キメラの頭ではなく羽にあたった。
キメラはすぐにわたしを見つけ、炎を放ってくる。
けれど、わたしはそれをかわして『水氷魔法』をキメラに向け放つ。キメラは片方の羽を失い、十分には動けない。そのままかわせずにお腹のあたりに氷が突き刺さった。
キメラは威嚇するような動作をして落ち、血を流して死んでいった。
ふぅ、やっと倒して音が聞こえないのからも解放された!
わたしは死体から浮いてきた魔力を吸う。
<魔力からの性質の獲得により、スキル『受音無効化』、『コウモリ羽』を入手しました。>
魔力を吸い終わると、と出た。
あ~、『受音無効化』。これがわたしが音を聞くことができなかった原因か。でもこれを使えるってけっこう便利!
あと『コウモリ羽』っていうのは多分、あのキメラに付いてた羽だよね。あれスキルだったんだ……。
そしてわたしはステータスも観てみる。
うん、上がってる上がってる!少しだけど。
よし、じゃあまた行きますか!
わたしが進み始めたその瞬間。
目の前を紫色の水の塊が通り、アーチを描き落ちていく。
ベチャ
うわ。
わたしはそれをこちらに打ったヤツの方を向く。
そこにはゴールデンレトリバーくらいの大きさのトカゲのようなものがいる。
……。一難去ってまた一難ってやつ~?!
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