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太陽を抱く武器

短い……。

 こんなはずではなかった。


()()()()()()()()()()()!!)

 楽器の英雄。

 その名を持つ女性は後方支援が専門で戦闘では役に立たないし、技の出も遅い。だからこそさっさと倒せるはずだったのだ。


 氷の槍からその持ち前の機動力で逃げながら魔物は悪態をつく。


 今人間達の元にいるのは鎌と楽器と()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のみだ。


 新たに剣の英雄と勇者が現れたが、どちらも経験不足で倒すのは容易いと思われたのだ。


 ()()()()機動力で厄介な鎌の英雄には数と力での持久戦を持ち込んで撃破して、こちらは機動力と見えない四方からの攻撃で護衛ともども倒す予定だったのに。


 あの勇者は経験不足のはずなのに。


 空気の流れを呼んで、こちらの軌道を妨害してきた。


 それでも竪琴の弦を切ったから演奏はもうできないし、技も発動しないと思われたのに。


 しゃんっ

 とある島国にある神楽舞用の神楽鈴。


 それに変化させて演奏を続行して技を発動させたのだ。


 そんな事出来るなんて聞いていない。

 いや、まだだ。まだチャンスが。


「――そんなのねえよ」

 ざんっ


 剣が魔物の身体を貫くのと首を切り落とす剣の斬撃。どちらが先にその魔物を倒したのだろうか。

 痛みを感じる暇はなかった。


 落下していく首が自分の身体を貫いている剣と切り落とされた現実を認めれず、その命は沈黙した。


 魔物は気付いていなかった。


 大量に空から落ちてきた氷の槍。

 それは、魔物の隠れる場所を失わせて、自分達のやりやすい場所に誘導させる技であったのだ。

 

 知らぬうちに誘導されて、そこで待ち構えていたのは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()で舐めて掛かる相手ではなかった。


 今代の勇者の武器は二振りの剣。


 片方は刺す、貫くに特化した鋭利な剣。

 もう片方は斬る事に特化したとある地域に伝わる刀に近い形状。


 状況に応じてその二振りの剣を巧み扱うのだ。


 状況に応じての臨機応変に動く事が出来るのは彼の今までの経験がある故。

 女の子として育てられ、それと同時に生きるために必要な技術をすべて叩き込まれて森の中に暮らしてきた。

 その時のその時に判断で生死を分ける環境。


 それが彼という異質を育て上げたのだ。


 だが、そんな事を知らずに魔物は倒された。


 倒されるはずがないという油断故に滅ぼされた。


 それ故に、

 どぉぉぉぉぉん

 

 勇者の持つ聖なる武器はその能力を果敢なく発揮する。


 太陽の聖なる光を持つ武器は、その魔物が死んだ後もその足跡を探る。


 そして、ある地域にばらまかれる予定だった魔物を生み出す種。


 それらすべてが燃やし尽くされ消滅するのだが、そんな能力があるのを知っているのは誰もいない。 


ノヴァ「ただの二刀流じゃねえぞ」

アリア「だれにいっているのですか?」

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