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勇者と聖女と英雄

説明会。

 食事が終わるとノヴァと共にどこかに案内される。


 案内されるところがどこか分からないが飾られている絵とか置いてある調度品が明らかに質の良い……壊したら借金生活間違いないと思われる物ばかりだった。

「ふ~ん」

 ノヴァはどこか興味深げに周りを見渡す。


「な、なんでそんな堂々としていられるんだ」

 俺はいつ壊さないかびくびくしているのに。


「壊さなきゃいいだろう」

 あっさり

 まったく壊す事ないだろうという態度でどうしてそう言い切れるんだと呆れればいいのか戸惑えばいいのか。


「そんな簡単に」

 いうなよと言いかけて。


「こちらです」

 とある一室の前に案内してくれたシスターが告げる。


「…………」

 ごくりっ


 こんこん

 ノックする。 


「どうぞ」

 中からそんな声がして、促される。


 かちゃっ

 扉を開けて中に入るとこちらを見てくる何人かの人。皆値踏みするようなこちらを探るような視線でかなり居心地悪い。


「おにい、ちゃん♪」

 とたとたとた


 にこにことステラが抱き付いてくる。


「ステラ……」

 呼び掛けると手を繋いで。


「こっち♪ こっち♪」

 と引っ張られる。


 引っ張られて向かうとそこには。


「またおあいしましたね」

 アリアと……。


「よく眠れたようで」

 エルの姿。


「お前たちも呼ばれたのか?」

「はい。かおみせのいみもあるのでしょうね」

 にこにことアリアが説明する。


「あらためまして。アリアです」

「彼女はアリア・シラユキ。白雪歌劇団から聖騎士候補として上がってきた星の武器である楽器に選ばれた英雄だ」

 こちらを値踏みするように見てきた司祭の一人が説明する。


「ぞくせいはほしとやみとみずとじゅうです」

「「属性?」」

 そう言えば魔力を持つ者には属性があると団長が言っていたが……。


「……」

「こちらはエル。カーマイン大道芸人一座の元で学んだ聖騎士候補として推薦されて、鎌の英雄に選ばれた」

「エルくんはほんとうはリジエル・カーマインというんですけど、リジエルなんてかわいいなまえがあわないといわれてエルとしかよばれなくなってしまったんですよ」

 エルが黙っている間に他の司祭とアリアが説明してくれる。


「属性は星と闇。水と風」

 エルが属性をきちんと告げる。


「で、ステラ様だが、幼馴染だと聞いている。……魔人に襲われた村の住民だと」

「はいっ!!」 

 魔人に襲われたというか魔物になった住民を目の当たりにしてしまった。


「ステラ様はステラ・ムーンライトという名を与えられている」

「ムーンライト? ステラに苗字はないですけど……」

 なんで苗字?


「………名字がもともとある者は関係ないけど、無い物はどこで聖騎士に成るか訓練を受けたかで名字を与えられる決まりだ。ステラちゃんの場合は聖騎士の訓練を受けていないし、聖女故に月の聖武器と言われる聖女の武器からとってムーンライトの苗字を与えられたの」

 エルが説明をしてくれる。自分の説明よりもしっかり教えてくれるな。


「じゃ、じゃあ、俺はアルルカンという苗字を与えられるんですね」

 アルルカンの人形師に鍛えてもらったから。


「そうなる。――話を戻すけど、ステラちゃんの属性は月と闇と癒」

 属性……。

「ステラにも属性があったんですかっ!!」

 魔力が無いと思っていましたけど。


「………勇者や聖女。英雄に選ばれる定義は分からないけど、属性がある者が選ばれると文献にあった。多分、武器に選ばれるまで表に出ないようになっているのかもしれないけど」

 エルがしっかり説明をする。


「………調べたのか」

 ノヴァがじっとエルを見て尋ねる。


「…………」

 エルは答えない。答える義理は果たしたとばかりに。


「改めて挨拶させてもらう。俺はノヴァ。苗字はねえな」

 どやっ

 胸を張って告げるが。


「「「「………」」」」

 この場にいる全員理解できないと目が点になっていた。


「…………お前。訓練を受けないで試験を受けに来たのか?」

 エルが頭痛いと抱えている。


「そんな場所があるのも初耳だぞ」

「初耳じゃないだろう!! お前の住んでいた場所だとオリシア遊技場があっただろう!!」

 どやっているノヴァに怒鳴るエル。

 ノヴァの住んでいる場所が分かるのが気になるが。


「おお。そこならよく遊びに行っていたぜ!!」

 ぽんっ

 手を叩くノヴァに頭を押さえて。


「遊びに行くと言ってもお前は客じゃなくて、出演者として猛獣や魔物と対戦したんだろう!! で、暴れすぎて、大聖堂の場所を教えてもらっただろうが!!」

「よくわかるな」

「それくらい分かるから!!」

 いや、分からないから。


「エルくん。ノヴァくんのおともだちなの?」

 面白がるように尋ねるアリアに。


「………昔馴染みです」

 声を張り上げたのが恥ずかしいとばかりに小声で説明する。


「そうなの。おともだちなのね」

 にこにこにこ


 すごく嬉しそうに笑っている。


「…………」

 気まずそうにフードを深く被るエル。


 何がおかしいのか理解できないノヴァ。


 そんな中で。

「えっと、シエルです。剣の星の武器に選ばれました」

 と自己紹介するのが恥ずかしかった。


「以上が今現在選ばれている勇者。聖女。英雄だ」

 顔見せはこれで終了か。


「貴方方英雄は大聖堂。及び、神殿協会が全面的に援助する。情報や資金。宿などは地方にある神殿や教会を使用するといい」

 司祭の一人が説明すると。


「……命令系統がしっかりしているとそんな事もあるんだな」

 ノヴァが聞こえないように小声で呟くのが聞こえた。




という事で、現在分かっている英雄たちはこの五人です

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