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アニキと空を飛び5分程経つと、目的の場所に着いたようで、アニキは「ここだ……あっ!」と、言いながらスピードをあげ庭にある容器のそばに、近付いて行った。
どうしたんだろう?
アニキのそばに行くと、そこには緑色の容器があり、そこからオレンジのいい匂いがしてきた。
「いい匂いですね。オレンジでもあるんですか? アニキ?」
「すまん」
容器の中を覗くと、中には何も入っていなかったが、オレンジの匂いが充満していた。
「こうすれば大丈夫ですよ」
僕は容器の中に入り、容器を舐めはじめた。
「オレンジの味がしますよ、アニキ。アニキも、舐めますか?」
「先を越されたか……」
「? 誰にですか?」
「ヒヨドリだ」
「えっ……、ここヒヨドリ来るんですか?」
「この庭は、ヒヨドリ達の縄張りだからな。よく縄張り争いに遭遇する。今年はどうやら、つがいのヒヨドリ達縄張りらしい」
「よく知ってますね」
「梅の蜜が少ない時に、ここでオレンジジュースを飲んだり、していたからな……」
「そうだったんですか……」
すると遠くの方から「俺達の縄張りだー。」と、ヒヨドリ達の声が聞えてきた。
「逃げるぞ!」
早っ!
「待ってくださいよー、アニキ!」
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