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農場ダンジョン

「それでは、留守をお願いしますね、ザベスちゃん」

「了解」


 ザベスちゃんは無表情のまま素っ気なく答えます。

 私はその返事を聞くと、スキルを発動します。


「リターン」


 スキル名を告げると同時に、ぐん! と体が引っ張られるような感覚を覚えます。

 視界に映る店の内装がぐにゃんぐにゃんと歪みます。

 酔いそうになるので目をつぶりますと、数秒ほどで体が引っ張られているような感覚が終わります。

 すっと目を開けると、そこはもうダンジョンの中でした。


「さて、早速始めますか!」


 27位 名前:石ころダンジョン@農業を始めます!

 DP:80,109,125P 稼働日数:1年2ヵ月


 脳裏に浮かぶ、8千万ものDP。

 これを使って、まずはダンジョンの拡張機能を……っと。


 ダンジョン一階層の拡張①  1000DP

 ダンジョン一階層の拡張②  3000DP

 ダンジョン一階層の拡張③  5000DP

 ダンジョン一階層の拡張④  8000DP

 ダンジョン一階層の拡張⑤ 10000DP


 一気にダンジョンの一階層を五段階も拡張します。

 使用したDPは27000。その甲斐あって、一階層が広々としたものとなります。


 続きまして地形変化。


 構造物(壁)の撤去 500DP 


 これを連打、連打、連打……!

 うん? 連打って何ですか? 別に何も打ってやいませんが。まあいいか。


 とかく、空間を隔てる壁という壁を撤去します。

 一階層は天井や外壁以外は何もない、広大な伽藍洞となります。


 またもや地形変化。


 肥沃な土壌 3000DP


 ダンジョンでは、地形変化で沼だとか、そういったものを設置することも出来るのですが……。

 肥沃な土壌? どうして、こんなものもあるのでしょう? 謎です。謎ですが、まあ都合が良いのでOKです。


 またもや連打、連打、連打……!

 広大な伽藍洞の床という床を、肥沃な土壌へと変換していきます。次は……。


 溜め池 200DP


 畑に水をやるための溜め池を、各所に設置していきます。

 はいはい、連打、連打。


 そーして、一番大事な環境変化。


 疑似太陽 10万DP


 ダンジョン内部に、小型の疑似太陽が浮かびます。

 農業にお日様、大事ですよねー。


 さーらーに、魔物のクリエイトです!


 ストーンゴーレム 50P


 ふふふ、見るがいい、我が精兵たちを!


 私の目の前には、100体ものゴーレムたちが、整然と整列する壮観な光景が広がっています。

 我が精兵たる彼らは、確かに戦闘力は乏しいかもしれません。

 ですが! 寝ることも、食事をすることもなく、24時間休まず稼働し続ける、最高の労働力なのです! ブラボー!


 私はぱちぱちぱちと手を叩きます。


 さて、これで農場の準備は完了……っと、いけません。いけません。


「あれを用意するのを忘れてましたねー」


 私はダンジョンの入口の方に歩いていきます。

 そうして、ダンジョンの入口からほど近い所に、いくつかの小部屋を設置します。

 

 唯の部屋ではありません。いわゆる罠部屋です。

 今回用意したのは、入ると出入り口が塞がれ、天井が落下してくるタイプの罠部屋。

 中に入った人は、ぺっしゃんこですよー。


「クリエイト――看板」


 私は木板の立て看板をクリエイトします。

 ダンジョン内に設置可能な、謎解き系の仕掛けで利用されるらしい、出題用の立て看板です。


「えい!」


 それぞれの小部屋の前に突き立てていきました。

 そこに記された文字は――屠殺部屋。


「これで、連れられてきた奴隷たちを、スムーズに処理できますね」


 ふう。私、頑張りました!


 というわけで、農場ダンジョン完成です! いえい!

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