表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『呪石』-番外編-  作者: 宮居
ルイの能力講座
9/13

呪術の部

「呪術や呪鎖ならシナの方がいいだろ」


「シナさんが喋ってくれません」


「オレだってめんどくせぇわ。協力はしてくれよ?」


「仕方ないなぁ」


「さて……じゃあ呪術についてだが……まず、作者の世界で言われているようなものでは無い、と言っておこう。相手を殺すことも不幸にすることも出来るが、それだけじゃない。あとこれは魔法より技術がいるな。呪詞を覚えなきゃいけない」


「呪詞を頭の中で唱えると使えるの。と言ってもわたしたちみたいに呪鎖を使える人は鎖に術式組んでるから、必要ないんだけどね」


「もう慣れだな……呪術に関しては、使えるものが限られてくる。というか誰にでも使えるのは魔法だけだな。なんというか、呪術を使える者同士が合うとわかるんだ。あとはちょっと刺激してやればすぐ目覚める」


「ルイがそうだったものね」


「そうだな。シナは自力で気づいて、橘に後押ししてもらったんだっけ?たまにいるんだよな」


「魔法とは違う、なにか別の言葉が頭に浮かんで、調べてみたの。で美月さんに会いに行って、色々教えて貰った」


実際にはそれで両親を殺してしまったようだが、まぁ言わなくてもいいだろう。

喧嘩してる両親を止めたい一心で、思い浮かんだ詞を放ってしまったようだ。力の扱いがわからないから、殺してしまった。そして橘を自力で見つけ、呪術を身につけた。


「簡単に言えば才能、だな。それがあって、呪術者に刺激を貰って開花する。鎖は更に応用させたものだ。これを扱えるものはさらに少ない」


「鎖にするのも呪いの1つ。術式を組んでおいて、使いたいものをすぐ使えるようにするの」


「もうこれに慣れてくると必要な呪術がぱっと浮かんですぐ呪鎖が発動?するようになる。自然と体が動く、みたいな感じだな。めっちゃくちゃ便利だからオレは魔法より呪鎖を好む」


「呪いの方が万能だから扱える人はみんなそうだと思うけど……時々魔法の方が、自分の力を使ってる感があっていい、とか言う人もいるわね。魔法は魔力の流れを感じられるけど、呪術はそうじゃないから」


「呪術の対価は精神力。ただし呪鎖はそんなもの必要ない。まぁこれは詳しいこと話しても使えない人には分からないだろうからあまり話したくないんだけど……簡単に言えば呪術を使うことで病んだり壊れたりしなければいくらでも使えるってこと」


「ほんと、便利な道具よね」


「呪鎖なら尚更、シナがそう思うのも仕方ないんだけど、鎖になると精神にあまりダメージがない。無意識にそういう呪術を使っている」


「呪術って魔法みたいに種類とか得意不得意あるの?」


「種類は厳密には分かれてない。得意不得意はそれぞれあるな。だけど魔法みたいに系統に寄って、と言うよりかは似たような呪術だけどこっちは得意、こっちは不得意、とかはある。例えば」


シナに手本を見せてもらうことにする。

目線だけで何をしたらいいのかわかってくれたみたいだ。流石。


「わたしは呪鎖に寄る身体的拘束は得意だけど、物にかけるのは苦手なの。例えば……」


そう言ってウルを拘束する。


「実験体俺か……」


ついでに口も塞いでもらう。


「こっちは得意だけど」


シナが目線を作者に向ける。

作者は簡単な部屋を作った。


「鍵かけてみるから、扉開けてみて?」


……ちょっと強く捻れば、シナの金色の鎖は壊れ、扉は開いた。


「こんな感じだね。似たような拘束系なんだけど……あぁ、呪詞も同じようなものなの。だけど、こんな差がでる」


「相性かなんか、かな。魔法とは違って呪術はいくら練習してもそれ以上上手くならない。鎖を使うには慣れが必要だから練習したけどな」


「鎖まで使えるようにならないとめんどそうやね」


「若干な。作者は一生使えねぇから安心しろ」


頬を膨らます作者。

可愛くないからやめてもらおう。


「いったい!」


手の代わりに鎖を使って、膨らんだ頬を潰した。


「せめて手でやって欲しかった……」


「まぁこうして鎖は手の代わりとしても使えるってことを教えられて良かったじゃないか」


「鎖の方が明らかに痛いやつ……」


「そりゃそうだ。術式かかってんだからな。さて、こんなもんか?なにか質問あるか?」


「鎖の色は?」


「色か……呪詞の中には必ず、色の名前が入ってるんだよな。その色を鎖は持つ。だけどウルに巻きついてる鎖が青に対し、扉にかけたのは金だったろ?似たような言葉だから同じ色って訳ではないみたいだ。あとたまに例外がある」


そう言ってルイが呪鎖を出す。


「オレの呪鎖は全部紫色だ」


ウルの拘束の鎖も、扉にかけた鎖も、ただ鎖を具現化しただけのものも(こういった呪いもあって、相手を脅すのに使えるらしい)全部紫色だった。


「他に同じような人は見たことないから実質ルイだけなのかもしれないけど。なんでなのかは、美月さんでもわからなかった」


「相手が術者だった場合、悟られないからいいんだけどな。詞がわかれば色がわかるから、色で多少の予想は出来たりするんだ。オレはむしろそれを利用して欺いたりするけど」


鎖の色が紫色だと気づいた時、色が変えられるか試したことがある。

結構簡単に変えられた。シナにも聞いたがシナには出来ないらしい。何故かはわからない。


「戦闘に慣れてる人なら、色を見た時に拘束系か、打撃系なのかはバレる可能性があるって事ね」


「そう。まぁ鎖を扱えなきゃ色なんて見てもわからないだろうから関係ないんだけどな。詞の中に色があるってことに気づいてるかも怪しい」


「へぇ……あ、そうだ。呪石は?あれはどんなんなの?」


「呪石は石に呪鎖が刻まれていて、持っているものが念じるとその呪術が使えるようになるものだ。鎖が扱えるものがそもそも少ないのと、石に刻むのが難しいから数は多くない。アンジェの集めてる呪石についてはよくわかってないんだ。術式が不完全らしくてな。何故あれを必要としてるのかわからん。装飾品として使われてる時のみ、完全な呪石になるんだと思う。眼鏡についてた呪石がそうだったのは確認してる。外れたり壊れたりしたらそれはもうただの石なんだよ。多分だけどな」


「ちゃんとした呪石は、あんなに綺麗な色をしてないの。呪鎖の所為で色はくすむ。呪鎖が完全じゃないと本来の色に戻るから、綺麗な石を使っていたなら綺麗な色になる」


「じゃあアンジェが集めてるのって……?」


「呪石だった石、だよ。一つ一つに効力はないけど、集まったら変わるかもしれないから、無意味とは言えないかもしれないけど、オレにはあれがちゃんと機能するようには見えねぇな……」


「じゃあ教えてやれよ……」


「確証がないからな。だからシナも協力してるんだろ」


「呪石なんて見るの久々だし、本当に変わるなら見てみたいしね」


「なるほどなぁ……じゃあ次は法術についてかな」


次回は来週日曜20時か再来週の20時法術について講座します!

本編(相方)次第で更新日が変わります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ