生誕祭
「なぁ、おい」
「はいなんでしょ~」
目の前に突然現れた人物は、この謎の白い部屋を飾り付けしている。
「ルイも手伝ってくれたっていいのよ?」
「あんた自分でそんなのしなくても部屋の飾り付けくらい一瞬だろ」
「どこぞの魔法使いとは違うので~」
相変わらずむかつくヤツめ
「それ取って?」
仕方ないと思いながらも両面テープを取って渡してやる。
……明日はシナの誕生日。
それの準備の為に、今日はこの場を作り出したのだろう。
「他は呼ばないのか?」
頼まれた飾りを渋々作りつつ聞く。
この場には何故か2人だけだ。
「たまには2人で話したいなぁと思って」
「いつでも話せるだろうに」
「最近の旅はどう?楽しい?」
こいつは人の話をほんとに聞かないな……。
「まぁ色々あるし苦労も多いけどな。悪くは無いよ」
当たり障りなく答えてやる。
「ルイらしくないことさせちゃってるけど」
「別に構わない。悪くないって言ってるだろ」
「アンジェのことはどう思う?」
「ぶっちゃけると無能な小娘だけど。自分のために頑張る姿はまぁ……見てて嫌な気はしないさ」
「シナも揃って協力的で嬉しいよ」
「まぁたまにはな。気になることが出来ちゃったから」
主に呪石のことだけど。
「んふふ~やる気になってくれると思ってたよ」
「そうかい」
「結末は決まってるんだ。ルイにとっていいかは、わからないけど」
「まぁちゃんと決まらず走らされてたあの頃よりいいかな」
昔を思いだしてそんなことを言う。
彼女にとっては苦い思い出だろう。
ちょっとしょんぼりした顔してる。面白いからいいや。
飾り付けは進む。
といっても2人とも不器用だから大掛かりなものは作ってない。
花の飾りとか作ってレイアウトしただけだ。
「よーしおっけ。じゃあ明日、楽しみにしててね」
旅の途中で呼ばれて、気の抜けることする気分はどうだい?って聞いてやろうかな。
今日はシナの誕生日。
一応、誕生会をしたいって聞いていたからプレゼントは用意してある。
大層なものでは無いけれど。
またオレたちーーシナを覗いた4人だーーはこの場に呼び出された。
アンジェに昨日思いついた疑問を問うてみると、たまにはいいんじゃない、なんてつまらないセリフが返ってきた。
暫くしてシナを呼んだ。
彼女には話してなかったからとても驚いていたけど、楽しそうだった。
プレゼントは小さいアクセサリー。
旅の邪魔にもならないような、とても小さなものだ。御守りになるような呪石をあつらった石。
アンジェやウル、エルも居てそれぞれプレゼントを用意しており、それに彼女は喜んでいた。
4月7日。
今目の前にいる人物ー、作者の宮居が、初めて生み出した"キャラクター"。
彼女のそんな祝いの日を今年も迎えられて嬉しく思う……。
まだ桜も綺麗に咲いている。
まぁ作者の手にかかればちってしまった桜も戻せるのだけど。
この後はお花見をするようだ。
満開の桜が咲く、あの大きな樹の下で、もう少しだけ、平穏を楽しもうー……
シナが主人公の小説書こうとしたのに何故こうなったのか……w
うちの子で誕生日決まってるのこの2人しかいないので、とりあえず書きたかったってだけな感じになってしまいましたが、最近時間なかったから許してということで……。