殺人鬼と出会って②
前回の続きですね。これにて殺人鬼と出会っては終わりです。
もう一回言っておきますが、これは実話ですからね。
男と出会い、かれこれ30分が経過しようとしていた頃。
俺と彼の話は拮抗していた。
変な意味で……?
「ねぇ、いつになったらやってくれるん?待ってるんですけど」
「いや、オットセイの真似しながらそういこと言うのやめてくれる?気持ち悪いんだけど……それと、多少はさ、怖がってくれないかな?きゃーとか、イヤーとか、さ、な」
「……」
「なんだよ。だんまりか?」
「いや、チャック開いてる」
「あ、本当だ」
「縞パンですか」
「あぁ、そうだが。なにか?」
「女々しいですね」
「関係あるかお前に」
「……」
「なんだ。文句でもあるのか」
「いえ、特には」
目線をそらし、あえて話をそらす。
「そう言えば、お兄さん名前は?」
「あ?俺か?言うわけ無いだろ。馬鹿か」
「はぁ、じゃあ、仮にそうだな。Pーさんで」
「ピーさんはやめて、伏字みたいだから」
「それでPーさんはどこに住んでるんですか?」
「その名前でいくんだ……。それは、さて置きなんでそんなことを教えなくちゃいけないんだ」
「え?だって、死んだ後に呪えないから」
「余計に嫌だわ。どうやって呪うんだよ。現代科学で説明できないことは言わないでくれよ」
「ん?やけに怖がってますね。幽霊とか怖いんですか?」
「怖くは無いが、呪われたら嫌だしな」
「はぁ、そう言うもんなんすね。と、そう言えばさ、先程三人ばかり殺した〜wとか、言ってましたけどあれって本当なんですか?」
「あ?本当だとも。それがどうした」
「あーやっぱりか、だから先程からチャックが下がるわけだよ。だってお兄さんの股のところに手があるもん。便利だね。トイレ」
「はぁぁぁぁあああ!!!いやいや、そんなわけ無いし、霊媒師のところ行ったし。ついてるわけ無いし」
「行ったんだ……ぷぷ。ガキみたいに怖がるなよ〜いい歳こいたおっさんが」
「誰がおっさんだ。まだこれでも若い方だ」
「何基準なんだよ」
「それは……教えられない」
「はあ」
Pーさんは、刃物をポケットにしまいこみ、暫し黙りを決め込んでいた。
「ねえ、なんか話してよ。辛いことがあったら聞くよ?」
「……」
「あ、もしかして」
「ん?」
「コンビニ行ったら1円足りなくてコーヒーを買えなかったから、こう言うことをしたんだね」
「……」
「んー違うか……なら、友達と話してて、テンション高すぎて道端に落ちてる石に気付かなくて小指ぶつけたとか?」
「……」
「んーこれも違うか、なら」
「もういいわ!!どれと違うし細かすぎるわ。そんな繊細な心もってねーよ。例えそんなことがあったとしてもそんなことで人は殺さねーよ。馬鹿か」
「いや、馬鹿ですけど。いまさらですか?」
Pーさんは、頭を抱え込み、その場に蹲ってしまう。そんな彼に追い討ちおかけるが如く、俺の質問は続いた。
「それで、はじめに殺した人はどんな人だったんですか?教えてください」
「……」
「彼女?」
「……」
「お兄ちゃん?」
「……」
「彼氏?」
「まて、さらっと爆弾発言をするな。俺は男だ。男を掘る趣味は無いし、それに俺は女が好きだ」
「いや、いきなりそんな発言されても困るんだけどな。心の整理とか」
「まて、もじもじしながらこっちに来るな。俺は男を犯す趣味は無いし、仮に男が好きでもお前だけは犯さん」
「は!いま、男を犯すのが趣味っていった、やべーよ、おれの貞操が犯される〜ww」
「笑うなよ、気持ち悪い、もう嫌こいつ死ねよ」
「あ!オネシャス」
「違うわーー!!!ゼェゼェもう帰る」
男は悲しげな背中を向けトボトボと何処かへと行ってしまうのであった。
残されは俺は、仕方なく家へと帰ることにした。
そして今に至る。
END
これからも面白いことや、怖かった体験などをボチボチ書いていく所存であります。これからもコカトリスをよろしくお願いします。