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ワープホール

幼い頃の私にとって、隣の誰も住んでいない家の庭にあった古ぼけた土管はワープホールだった。



双子のように育った一つ上の姉と、その土管によく足を入れた。


そうすると、二人の中では違う世界。


『現実の世界』と瓜二つの世界を、二人で歓声をあげながら駆け回った。


しかし、現実の世界とは別。


近く川からはピラニアが現れ、坂の下の田んぼからは多くの未確認な虫が襲ってくる。



そんな夢を見させてくれた『ワープホール』は、四年前に生まれ育った家とともになくなった。



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