最終回.そして、ヒロインも腐ってる!
ヒロインさんは、攻略対象たちがサポートキャラを暴行してから攻略対象たちを避け始めました。
確かに、今まで綺麗な顔で恥ずかしすぎる愛の囁きをして、彼らが紡ぐ言葉と顔に見惚れていたのに、先日は一転して醜い顔を愛するヒロインさんに見せつけていました。
ヒロインさんが、その行動にその顔にドン引きするのも無理はないでしょう。
ヒロインさんは、それはそれは頑張っていました。超、頑張っていました。
攻略対象たちを攻略するため、攻略対象たちの心の傷を癒すのに。
いくら、前世があり、この世界が乙女ゲームの世界だからといっても、攻略情報通りにすればよいというものではありません。
ここは現実なのですから、攻略対象たちを攻略するのに攻略情報を元にして、自分で考えて行動するということが必要です。
ゲームの自分と行動と全く同じにするだけでいいとは限らないのです。
ある日、攻略対象たちに言い寄られていたヒロインさんはキレました。
「なんで、私ばっかりメンタルケアをしないといけないのよ!たまには私も、メンタルケアして欲しいわよ――――!」
他の女子生徒の嫌がらせに耐えて、先日まで攻略対象たちのメンタルケアに励んでいたのですが、ついに攻略対象たちの醜悪な面を見てこれ以上やっていられないとヒロインさんはヒロインの役目を放棄しました。
そんなヒロインさんに、悪魔の手(笑)が...
そう、私たち腐の同志です。
今この時が、新たな同志を捕獲する時...!
育ちがいいお嬢さん方は、中々こちらの世界に堕ちてこないのですよ。
困ったものです。
自分勝手な言い分をする攻略対象たちから、ヒロインさんは逃げました。
私は、ヒロインさんが逃げた場所まで追いかけていきました。
そして、私はヒロインさんが隠れているところまで行き、
「ヒロインさん、癒されたいのならこの本がおススメですよ」
私はそっと布教用のBL本(初心者用)を差し出しました。
「これが、癒しになるはずないでしょ――――!」
「よく考えて下さい、ヒロインさん。こういう時は、今までと全く違うものを挑戦するものですよ。でないと、新たな癒しは生まれません!」
「そうかなぁ?」
「そういうものです!ほら、この本を手にとって新しい世界の扉を開けてみましょう」
なんか、怪しい宗教の勧誘をしているみたいな感じになりました。
「どうしよう...」
「男は攻略対象たちだけではありません。あれらだけで、男に幻滅するのはもったいないです。この本で、新たな男の一面を見るのもいいかもしれないですよ?自分に関係ないところで、恋愛劇を繰り広げられればそれは新たな癒しになります。女の子だけではありません、男の子まで視野に入れないと、新たな可能性は生まれません!」
「それもそうね、ダメならそこでやめればいいわけだし。その本、読んで見るわ」
そう言って、ヒロインさんは布教用のBL本(初心者用)を私から借りていきました。
そして数日後、ヒロインさんは無事にこちらの世界に堕ちてきました。
拒否反応を示した方向の恋愛に堕ちてくるなんて、よほど攻略対象たちはストレスを溜めこむしかない人たちだったのでしょう。
可哀想に...
ヒロインさんが、攻略対象たちと決別した後も、彼らは未練がましくヒロインさんに迫ります。
それに対してキレる、ヒロインさん。
私がいるとおかしな方向に行くので、私以外の腐の同志たちが、別の美少女を生贄に仕立て上げました。
すごいです、ヒロインさん。
つい先日まで、攻略対象たちに無料奉仕でメンタルケアした少女。
自分がたどった道を他の生贄にすり替えるのは朝飯前だったのですね。
その後、新たな生贄になった少女は、攻略対象たちに疲れてしまってヒロインさんと同じ道をたどるのでした。