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5.サポートキャラの役目をしました

さて、この乙女ゲームにサポートキャラがなぜ必要かといいますと、ヒロインさんのいる高橋家の格では、攻略対象の好感度上げ必須イベントお金持ちたちが集まるパーティーに出席できないからです。

それを補うために、サポートキャラである安曇野陽子さんが『同伴者枠』として、ヒロインさんを出席させるんですよね。


先日のヒロインさんの屋上への呼び出しの時に、メルアドを交換しました。

これは、『安曇野陽子サポートキャラについての情報交換』ためです。

彼女はとても性質たちの悪そうな転生者なので、彼女を見かけたらどういう行動を取っているか教え合おうということになったのです。

ヒロインとライバルお嬢様では、サポートキャラによる被害を被りそうだなということで。


日に日に、サポートキャラの学校内での立場が悪くなっています。

教室内で、「ヒロインとライバルお嬢様たちが結託して、私の立場を悪くしているんだわ」とかクラスの人たちに対して「モブのくせに、私に楯突くんじゃないわよ!」などなど喚き散らしています。

このままいくと、接触しなくてもいいかもしれません。

思わず、期待してしまいました。

性質たちの悪い電波少女なんて、誰も関わりたくありませんよね?

ライバルお嬢様は私以外にもそれぞれの攻略対象たちの婚約者がいるのですが、すでに彼女たちは彼らを見限っていて婚約破棄がすでに両家の間で合意されています。

現在の攻略対象たちを見ると、家同士の婚約の意味を理解しない馬鹿の血を自分の家に入れたいと思わないでしょう。

ヒロインさんに会う前までは、才色兼備や神童などともてはやされた彼らですが、今ではそれが見る影もありません。悲しいことです。

ちなみに、彼女たちは私の腐の同志だったりもします。

私はともかく、彼女たちがなぜBLな世界に堕ちたのかは分かりません。

同類ばかりなので、私たちが揃うとヒロインさんが関わりたくないとばかりに回れ右して逃げて行きます。

その時に私たちの心は一つになりました。逃げて行くヒロインの顔が好みかもしれないと。


学校内での立場を悪くしていることを全く気付かないサポートキャラが、GWゴールデンウィーク中にあるお金持ちたちが集まるパーティーに参加するとの情報を得ました。

これは、両親から警告として聞かされたことです。

普通ならこんな状態の娘さんを参加させるのは、その娘を持つ両親が許しません。

ですが、安曇野陽子の父親は娘が大好きな親馬鹿なので、娘のワガママ通りにこのパーティーに参加させるみたいです。

これには、各家が戦慄いたしました。

結果、いつも以上にパーティー会場の内部が警備が厳しくなりました。

近寄るな危険とか猛獣注意とかいう意味でしょうね、きっと...

腐の同志たちから、このパーティーに対抗魔としてヒロインさんを参加させて欲しいとお願いされました。

目的はアレですね、分かります!


そして、パーティー当日。

サポートキャラは、学校での悪評から同年代の子どもたちに避けられています。

彼女が歩くたびに、そこから人がいなくなるみたいな。

私は、腐の同志たちと一緒にいます。

もし、サポートキャラがこの現実がゲームの世界だと思い込んでいるなら、ライバルたちが集まったとこは避けるはずだと思ったからです。

予想通り、サポートキャラは私たちに近づこうとはしませんでした。

ちなみに、ヒロインさんは「アイツら、腐りきっているから近づきたくない」という素敵な視線をよこして下さいました。少し、ホッコリした気持ちになります。

人間、本能で避けることができるというのは大事ですね。

サポートキャラは、軽食を食べて時間を潰しているみたいですが、お目当てが見つかると食べかけの軽食をその場に置くというマナー違反をし、図々しくも攻略対象たちと談笑しているヒロインさんに喧嘩を売りに行きました。

その時の腐の同志はというと私を差し置いて、攻略対象たちを見てグヘグヘしていました。

近くに行って巻込まれたくないので会話の内容は分かりませんが、面白いとこに入るようなので、腐の同志たちを現実世界に戻すために後頭部を叩きました。

電波な発言をし、喚き叫ぶサポートキャラとヒロインさんを背に庇う攻略対象たち。

辺りが静かになった頃、サポートキャラが「あなたたちは、その女に騙されているのよ! 私なら、あなたたちを本当に愛してあげられるわ」というツッコミどころしかないことを叫んだのが聞こえてきました。

ヒロインさん、逆ハーレム目指してないから!

護衛から、逃げたいだけだから!(藜くんをSPとかボディーガードとかカッコイイ名称で言いたくないらしい)

サポートキャラのヒロインさんに対するあまりな物言いに、俺様男の錐島哲哉がキレて女性扱いしないでサポートキャラの腕を捻り上げていました。

あまりの痛さで泣き叫ぶサポートキャラ。

やりすぎだけど、好きな人に対して酷い言い方は許せないのでこれは仕方ないのかもしれません。

私がそんな風に思っていると、メタボ体系なサポートキャラの父が唾を飛ばしながら、攻略対象たちに娘に酷いことをするなと食ってかかっていました。

それに対抗して、攻略対象たちはサポートキャラがした数々の酷い行いを暴露していました。

これには、サポートキャラの父が真っ青。

収拾がつかなくなりそうなので、会場内の警備員がサポートキャラとその父を会場内から追い出しました。

彼らが追い出されれば、パーティー会場内の雰囲気はいつも通りに戻りました。



私たち腐の同志は、ヒロインさんとその仲間たちをニヤニヤしてガン見しながら見守りました。

この時ほど、表情筋が死んでいることに感謝したことはありません。

周りに、怪訝な目で見られないで済みますから!

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