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幕間:手を伸ばすほどに

 

 

 触れたときに感じたのは、空の色。

 どこまでも澄んでいて、手を入れたら身体がどこまでも沈んでいきそうなくらいに、深い色。

 匂うのは少し大人の匂い。

 汗臭くて、少しお酒臭い、そんな匂い。

 ゴワゴワとしている手の感触が残ってる。

 目を開いて覗きこめば、夢の中で、水面にあの人が映る。

 大きな背中をした、あの人。

 ――意識が広がっていく

 心がどんどんと膨らんでいくのがわかる。

 手に触れたい、ギュッて手を握りたい。

 会って話がしたい。

 小さな事でいい。何でもいいからあの人と言葉を交わしたい。

 会いたい――



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