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Lv.3 武器「えー、マジっすかー……」

「まずい! もう一杯!!」

「青汁じゃねえんだから…」


そう言いながらも、フォンシエはギルベルトにおかわりのパンを出してやる。

フォンシエはコーンスープにちぎったパンをつけ、幸せそうに頬張っていた。

「うめー! 間違えた糞不味い!! コーンスープ糞不味い!!」

「なんか褒められてるんだが貶されてるんだか分からないんだが……」

「貶してるに決まってんだろこのGEBOKU!!」

「……へいへい。溢さずに食べてくださいねご主人様っと」

ギルベルトの口の周りについているコーンスープをジト目で見ながら、フォンシエは自分の使った食器を洗っていた。


――――そういや、旅に出ればもうこいつらを使うのはしばらくは無いんだよな……。

気に入っていた柄の皿を見ながら、フォンシエはしみじみとそう思った。



と、そんなフォンシエをガン無視するかのように、ギルベルトは食べながら喋った。

「そういや、武器とかまら決まってねえよな。俺様の。やっふぁり異世界から来た奴=剣だよぬぁっ」

「どんな方程式だよ。……でも、俺弓使いだから剣とかあんまいいモンねーぞ」

行儀の悪さに半ばあきれながらも、フォンシエはそう応える。

「むぁ、RPG的には序盤だから別にショボいのでもかまふぁぬぇーけろっ」

「……本当にショボくてもいいなら無くは無い、けど」

そう狩人が言ったのと同時に、我が儘異世界人は口の中に含んでいたパンを飲み込んだ。


「え、マジで?」

ギルベルトが意外そうな顔でフォンシエを見ると、フォンシエはため息をついた。

「嘘言ってもしょうがないからな。――でも、見たところで文句言わないでくれよ?」

「それは見ないとわかんねーよ」

「まあ、そりゃそうなんだけど……。とりあえず引っ張り出してくるよ。その間に使い終わった食器をキッチンまで運んでくれな「却下」

「……」

やれやれ、と心の中で呟きながら、フォンシエは物置に向かった。






「――――なあ、ちょっと待ってくれ」

ギルベルトは嫌そうな顔をしながら早口で言った。

フォンシエはやっぱりか……と思いながらも、持ってきた武器をちらりと見る。

「これってさ、その、武器?」

「一応形はそれだし、多分武器」

「……戦えんのか?」

「…………多分」

「こんな装備で街うろうろしてたら確実に変人扱いされると思うんだが」

「その時は新しい武器を買えば――――」「それまでが恥なんだよ!! この腐れ下僕!!」

ギルベルトはそう言い放つと、一応自分の武器であるモノを地面に思い切り投げ捨てた。







ぎるべると・H・あいひべるがー

ぶき ぼくとう










「……木刀だって一応武器として成り立ってるんだよ!! RPGの主人公だってこれ初期に装備してんの!! 分かれ!!」

「わかりたくねーよ!! 何で木刀なんだよチキショー!!!」


2人は暫く木刀についての言い争いをしていたのであった――――。


















「……あ、結局木刀持っていくんだ」

「絶対すぐにフツーの武器に変えてやるんだからなぁああああ!!!」

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