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Lv.11 毛玉「主婦の天敵は物理で解決」

「そういや、さ」


獣道を歩きながら、ギルベルトはフォンシエに問いかける。

フォンシエは頬を軽く掻きながら、ギルベルトの方に顔を向けた。

「あの何か変な毛玉みたいなアレは何だったんだ?」

「そりゃ、モンスターに決まってるじゃないか」

「……いや、けろっとそう答えるなよ。俺様が聞きたいのは名前だよねえむ!!」

と、珍しくギルベルトがツッコむと、フォンシエは小さくため息をつきながら、

「ちょっとボケてみたかったんだよ……」

とボソリと呟いた。


そんなフォンシエを軽くスルーし、ギルベルトはエテルナに問いかけたいた。

「んで、何だったんだアレ?」

エテルナはビクリとしながらも、おどおどとその質問に答えた。

「えと……


――あのモンスターは『ペクエノ』という名前なんです。

毛玉のようなモコモコとした身体に足が生えていますが、何故か浮遊して動いています。

基本あまり強くないですが、集団で来ると手ごわかったりします。あと、色々な属性のペクエノがいるので、弱点属性の子がくると「あー、分かった分かった。もういいや」

ギルベルトは顔をしかめてエテルナの説明を制する。

エテルナは気付けば長々と喋っていたことに気付いて、顔を赤く染め、口に手をおいた。

一方、フォンシエはスルーされた事に少々傷つきながらも、気にしない方が寿命が延びると思い、言及することをやめた。


「……そういや、ペクエノは面倒なことに結界を抜けやすい性質らしくて、時々掃除中にこいつを見つける時があんだよなあ。――ま、ハタキとかで叩けば死ぬけど」



1人はコクコクと頷き、1人は不思議そうに首を傾げた。







段々と緑が濃くなり、サワサワという葉の音がより一層目立つようになってきた。

だが、そんな事を気にする余裕などさほどない、といえる位数多くのモンスターが襲いかかり、三人は大分へとへとになっていた。


「しっかし、早くつっかねーかなぁ」

と、ジト目のギルベルトは口をヘの字に曲げてぼそりとぼやく。

「多分、もうそろそろなんだろうけど……。道間違ったかなぁ…………」

段々不安になってきたフォンシエは、何度も自分の頭を指でポンポンと叩いていた。

そんなフォンシエを見て不安になってきたエテルナは、そわそわと辺りを見回した。



――――あれ?


エテルナは、奥の方に誰かいることに気付いた。

だが、人というよりは何か違和感を感じ、エテルナはそっと杖を構える。

「ん、どうかしたのかエテルナ」

フォンシエが声をひそめてそう言うと、エテルナは奥の方に居る何かについてフォンシエに伝えた。

「――――成程。もしかしたらそれの守護者、とかかもしれない。……ギルベルト」

「ん、わーってるよ」

ギルベルトはゆっくりと木刀を構え、ニヤリと笑った。






「待ってろよ、雑魚。俺様がミンチ肉にしてやるぜ」

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