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Lv.10 困惑「ギルベルトさんとどう接すればいいのかな……」

「さて、そろそろ帰ったほうがいいんじゃないのか? 森は暗いから、遅くなると帰るのも困難になるだろうし」

フォンシエがエテルナに心配そうにそう言うと、エテルナはぷんすかと怒った。

「あう、フォンシエさん! いつまでも子ども扱いしないでくださいよぅ!」

「そう言われてもなあ……。まだエテルナは13歳じゃないか」

「13だって立派なオトナです!」

「それに、君の親御さんたちは心配性だから、君よりも俺が怒られてしまうよ」


「……うっ」

エテルナは何も言えなくなって黙り込んでしまった。


ちょっと過保護すぎるところもあるけど、それでも大切な家族。

心配をかけさせる訳にもいかなかった。


「それもそうかも、ですね……」

しょんぼりと項垂れるエテルナ。

そんなエテルナを見て、ギルベルトがぼそりと呟いた。

「んなら、勝手についていきゃいいんじゃねーの。帰りとかは自分で何とかしてくれるんなら、別にいいけど。……足引っ張んなけりゃ」

ぶっきらぼうながらもギルベルトの優しさが表れたその台詞に、フォンシエはほっこりとした気持ちになった。

エテルナはまさかそう言われるとは思っていなかったので、驚きつつも嬉しそうに顔をあげた。

「じゃあ、フォンシエさんは――――」

フォンシエは少し悩んだが、ギルベルトの優しさと、エテルナの嬉しそうな表情に負けて、


「しゃーねえなあ。……1人できちんと帰れるならいいぜ」


「は、はい!!」



こうして、三人の森探索が始まった。







獣道をずんずかと進んでいると、初めてのモンスターが現れた。


……のだが――――。




「んだ、コレ」


変な毛玉のようなもの(何故か足も生えている)がふわふわと三人の周りに浮遊していた。

その容姿はまるジbリ作品に出る黒いアレのようだった。

だが、色は緑色をしていて毬藻のキャラにも見える。


試しにギルベルトはそれを木刀で突くと、その毛玉のような毬藻のようなものはふわりとその方向へと飛ばされた。


「――本当に何だこれ」


とりあえずフォンシエに尋ねようと思ってフォンシエのいる方向へと振り向いた途端、衝撃的な光景がギルベルトの視界に広がった。


「『ヴィエント』!!」

とフォンシエが言うのと同時に、風を纏った矢がその毛玉以下略に貫 通した。

そしてその毛以下略はピギャッとかいう悲鳴のようなものをあげて消え去ってしまった。



「…………!!??」


ギルベルトは慌ててエテルナの方を向くと、エテルナは杖を持って何か喋っていた。


「――――水の力よ、我に力を! 穢れし魂に清き光を!」

その台詞と同時に、エテルナを囲むように水色の魔方陣が広がる。



そして。


「『マナンティアール』!!」

エテルナがそう言った途端、エテルナの背後から恐ろしい程の量の水が湧きだしてきて、その後に毛玉達をのみ込んでいった。




「……これってもしかして、」

――――もんすたぁだったりしてた訳?

と、ギルベルトはぽかーんとその様子をただ見ていた。


――――って、俺様も戦わなきゃじゃねえかッッ!!


ハッと我にかえったギルベルトは、木刀を握って毛玉達に斬りかかった。

「死ねや塵共ォオオオオオオォォォッッッ!!」

主人公が言うには随分とアレな台詞を言い放ちながら、ギルベルトは毛玉達を一刀両断していく。


三人は協力して毛玉達を倒していき、やっと最後の一匹となった。



「どうする、誰が片付けちまうか?」

とフォンシエが問いかける。

勿論それにギルベルトが黙っているはずもなく、自慢げに木刀を持ちながら「勿論俺様!!」と叫んだ。

「おっけ。なら頼むよ」

「その、ギルベルト――さん。頑張ってください」

彼の武器が木刀だったために、エテルナは少し不安げだったが、さっきの戦いぶりを見たために、なんとかなるだろうと少し思えた。


「んじゃ、お見舞いしてやる!!――――必殺、『業火剣』!!」


炎に包まれた木刀(焦げないのはお約束)は、毛玉を一刀両断した。






「――――うっし華麗なる俺様の勝利ーっと」

「お前だけじゃなくて、俺達も頑張ったんだからな?」

「はいはい下僕は黙ってろ」

「ったく、ほんとお前って奴は……」

手のかかる息子のようなギルベルトに少し呆れを覚えつつ、フォンシエはため息をついた。

エテルナは困ったような顔をする。


――――悪い人ではないみたいだけど、どう接すればいいんだろ……。


何故ギルベルトに怒らずに過ごせるのかなあと疑問に思いつつ、エテルナはそっとフォンシエの背後についた。

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