3 今の過去
うーん、と伸びをして部屋を出る。シュレンに割り振られた部屋も他の部屋と同じく簡素で机、椅子、本棚、ベッドのみしか置かれていない。食事は食堂っぽいところで下から二番目の弟子が作る・・・はずだった。今のそれはあまりに料理が下手だった。誰も代わろうとしなかったので、今は一番弟子のシュレンの仕事になっている。
先生の今日の大雑把な予定は・・10:00~高位魔術師議会。15:00~中央魔術師育成院で授業・・・はしごするのか・・。で、しばらく時間が空いて19:00~・・・・・・・。あの野郎。何でだ。嫌がらせか?シュレンは頭をかかた。何故舞踏会が入ってるんだよ!?一番弟子が師について色んなことやるって決まってるのに。で、舞踏会はキャンセルしてくれって土下座してたのんだのに!?(流石に屈辱だった)
チッと小さくしたうちをしながら厨房へ入り、昨日作ったパンのたねをオーブンで焼く。時間が少ないので目玉焼きと簡単なサラダを作る。クソッ!何でこんなに弟子がいるんだ!?オーブンで焼けたパンを手で半分に割ってレタスとトマト、カリッと焼けたベーコンをはさむ。よし、これで昼食はどうにかなるだろう。
準備を一通りして先生の部屋に行く。
「先生、準備整いました」
・・・。この野郎。どんだけ本の虫なんだよ・・・。
「先生、時間ですけど」
・・・研究ばっかりだ。ちょっとは違う本読めばいいのに。
「先生、本燃やしますよ?」
「それはやめてくださいっ」
いつもどおりに軽く脅すと起きる。何なんだこの先生は?これがなかなか強い魔術師なんだから、この国は既に腐っているはずだ。面はなかなかいいらしいけど、早く嫁探せばいいのに。
「先生、朝食と馬車を用意しました。それから議会の資料はいつものカバンに入れています。9時には馬車に乗れるよう、お急ぎください」
「シュレンは酷いですね。いつも私の本をそうやって・・・」
「先生、嫌なら夫婦の相手をお探しください。毎朝起こさず食事の用意もなければ私の自由も増えますから」
忙しいんですよ、と先生は言って部屋を出て行った。・・・正直、お嫁さんは辛いだろうなぁ・・・。
「あーもう!だから夜更かしは体に良くありませんと言ったんですよ」
私は馬車の中で先生にそう言っていた。10分オーバー。正直議会に遅れるのは面倒だ。
「ですから魔術で時空を「わかっています。ですがどのようなことが発生しても対応できるように私が今それを行っているところです」すみませんねぇ」
ハァ、と私はため息をついた。空間を簡単に切ってはりつける。しかし、人のいる空間は切らないように気を使った。人が万が一元に戻す前に空間の外へ出てしまったら、元通りにできない。
馬車が止まった。私は先生をせかしながら先生にカバンを渡した。
「先生、あと10分で議会が始まります」
「おーい、リョクじゃねえか」
先生は馬車を降りると声の主に声をかけた。
「ルーザン、遅刻ですか」
「お前もだろう」
熊のように力強い体格のルーザンはシュレンを見てニッと笑った。
「お前の一番弟子は秀才と有名だ。師匠と違って落ち着きがあるしな。よう、シュレン。こんな奴といて骨が折れるだろ?」
「おはようございます。確かに疲れることもありますが、それは皆同じですから」
「聞いたかリョク?お前さんの弟子は大人びてるな!シュレンはまだ入らないのか?」
「はい。成人していませんし、何時間も室内にいるのは苦手なので」
そうか、と言うとルーザンは先生に声をかけた。
「それじゃあ急ぐぞ。ギリギリセーフにも届かなくなる」
「ああ。シュレン、馬車で待っていてください。大体・・・「2時間で終る予定、ですよね」・ですから」
「わかりました」
私は頭を下げた。何であの人が強いんだ!?