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第2話:この村の「距離感」

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たどり着いた校舎は、木造の古い部分と鉄筋の新しい部分が継ぎ接ぎになった、妙な雰囲気の建物だった。全校生徒は100人もいない。


佐藤が震える手で教室のドアを開けると、そこには彼が17年間築き上げてきた常識を根底から覆す光景が広がっていた。



(……え? なにこれ、僕、エロ漫画の世界に迷い込んだ?)



教室内では、クラスメイトたちが異常なほどの「密着」を見せていた。



一番後ろの席では、男子の膝の上に当然のように女子が跨って座り、教科書を一緒に眺めている。窓際では、男子が女子のスカートの中に手を入れ、太ももの虫刺されを薬で塗ってやっている。



「あ、転校生の佐藤くんだ! 都会から来たんだよね? よろしくー!」



一人の女子が、弾けるような笑顔で駆け寄ってきた。彼女はいきなり佐藤の腕を取り、自分の豊かな胸に押し当てるように抱きついた。

「(ちょっ……!? 柔らかっ!? いや、近すぎるだろ!! 反応しちゃうだろバカ!!)」



佐藤の脳内はパニックだ。都会なら即座にセクハラで訴えられるレベルの距離感。だが、周りの生徒たちはそれを「普通」のこととして受け流している。



その異様な空気の中、視線を感じて振り返ると、教室の隅で窓の外を見つめる少女がいた。先ほど畑で舞っていた、あのワカハだ。彼女はクラスの熱狂から一線を画すように、静かに、だが圧倒的な存在感を放ってそこに座っていた。

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