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第14話:月明かりの逃避行と「特別」の錯覚

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二人は、提灯の明かりが届かなくなるまで走り続けた。



たどり着いたのは、一面に広がる夜のキャベツ畑。虫の音と、二人の荒い呼吸の音だけが、静寂を支配している。



「……はぁ、はぁ。……佐藤くん、本当に足、遅い。……都会の男の子は、みんなこうなの?」



ワカハは乱れた巫女姿のまま、湿った地面に座り込んだ。月明かりに照らされた彼女の肌は、汗で濡れ、真珠のように白く輝いている。



「……いいの? ワカハさん。みんな、君を待ってるのに……。僕なんかと、こんなところに……」

「……いいよ。今日は、君にしか見せたくないジンガがあるの。……佐藤くん、私のこと、独り占めしたいんでしょ?」



ワカハは佐藤をぐいと引き寄せた。彼女の体温が、巫女装束越しにダイレクトに伝わってくる。

(……独り占め……!? 独り占めって言ったのか、今!? つまり、これは……本気のやつなのか!? いわゆる、逆告白ってやつなのかよ!!)



佐藤の脳内の「独占欲」が、ついに都会の「理性」を焼き切った。二人は、狂ったように互いを求め合った。ワカハは初めてではない熟練した動きで佐藤を受け入れ、佐藤は人生で初めての「本番」に溺れた。



月明かりの下、二人は確かに「一つ」になった。


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