スーパーで安くなっていた食パンを、ただ焼いただけの朝
掲載日:2026/02/16
目覚ましが鳴る少し前に、自然と目が覚めた。
外はまだ薄暗くて、部屋の空気も少し冷たい。
休みの日でも、体はいつもの時間に起きてしまう。
もう一度寝ようとしてみたが、結局あきらめて布団から出る。
キッチンへ行き、食パンをトースターに入れる。
スーパーで安くなっていた、ごく普通の食パン。
特にこだわりもない。
チン、という音。
トーストが焼き上がる。
皿に乗せ、何も塗らずにそのままかじる。
サクッとした音。
中はまだ少し柔らかい。
焼いただけなのに、ちゃんと美味しい。
特別なパンでもないのに、空腹の朝にはそれで十分だった。
窓の外では、通勤らしい人たちが足早に駅へ向かっている。
今日はどこへ行く予定もない。
何かを頑張る必要もない。
ただ、トーストをかじりながらぼんやり外を眺めるだけの朝。
特別なことは何もない。
それでも。
焼いただけのトーストひとつで、少しだけ一日を始められる朝も悪くないと思えた。




