怪獣ブースカとゆかいな仲間たち −2
ぶぅー。
表記に悩む必要のない、「ぶぅー」と書いてあるのを読み上げたかのような明確な発音の、オナラ。
みんな一斉に夫を見る。兄弟は大喜び。
「ブゥー、だって!パパすごい大きい音出たね!」子どもはオナラが好き。ていうか下関係大体好きだ。
「すごいだろう。大音量で、臭くなーい。」
台所で夕飯の食器を洗っている夫と居間で洗濯物を畳んでいるその他では若干距離があって臭いが分からないだけではないだろうか。しかし、ホントー?と確認しに行く兄弟。
戻ってきて「臭くなかった」と報告してくれたその時、
「ぷぅ」とオナラ。どっちだ?と兄弟を見比べる。えへへー、と手を挙げたのは次男。
「ニーニー、可愛いオナラだなあ。ぷぅ、か。」
「違うよママ、プィ、だったよ。」と長男。
「違うよお兄ちゃん、ブー、だったよ。」と次男。
「うーん。可愛いオナラだったけど、まだまだパパみたいな立派なブースカにはなれないね。」ふふん、と私。
「ママ何いってんのー?」と台所からこちらを振り返る夫。
「誰にも言っちゃダメだよ。おうちの秘密だから」
兄弟に顔を寄せて、小声で言う。いつの間にか真顔の兄弟。
「実はね、パパは人間のフリしてるけど、本当は『怪獣ブースカ』なの。オナラが得意。だからパパのオナラすっごいでしょ。見えないようになってるけど背中にチャックがあってね、人間の形の服みたいになってるの。」
「ええぇぇ ママは?ママもブースカなの?」と長男。次男はなんかアワアワしている。
「ごめんね、ママは弱っちい人間。でもイチーチとニーニーは怪獣ブースカと人間のハーフ。今はまだちっちゃいから『プースカ』だけど、いつか立派な『大怪獣ブースカ』になるからね。がんばれ!」何か良い感じにまとまったら子ども達もどことなく嬉しそう。
「まあ、お前らはまだまだだな!プープー」洗い物をやっつけた夫が乱入。さっき懐疑的な目で見てたくせに。
それからしばらく「ブースカの一族」として生きることになる。




