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三兄弟  作者: 一二三


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7/8

うーん、受験(次男の中学受験)

 附属中学校を受験する事を決めた次男。

 同じ小学校から10人くらいは受験するらしい。長男の時に比べて情報収集とかで大分心強いじゃん、と喜ぶのも束の間。

「全然そんな話しないよ。」えー、しろよー。


 受験勉強用に何か教材をと思ったところで思い出した。経験者いるじゃん。

「ねえねえ、イチーチ(長男)。受験の時使った想定問題集どうだった?役に立った感じする?」

「うん、役に立った。ニーニーもアレやればいんじゃない?アレで満遍なく7〜8割取れれば大丈夫だと思うよ。」

よし、じゃあそれでいくか。あの教材49,800円は、あれから2年で5万円超えてるかな〜なんて考えながらネットで検索するが、無い。まさかそんな、とずいぶん探したが結局見つからず途方に暮れていると

「前のやつとってあるでしょ。それでいいじゃん。使うかもと思ってとっといたんでしょ?」と長男。

「そう思ったんだけど、2年違うと古いかなーって。」

だってやっぱり次男も塾は行かないって言うし、この2年でPSVRはちゃんとお迎えしたし、問題集くらい該当年のやつを買ってあげたい。無かったけど。

「かわんないって。大丈夫。2年くらいでそんなに変わるわけないじゃん。」

長男と夫が口を揃えて力説するので「じゃあそれで行こう」ということに。

引っ越してきた時のまましまわれていた箱を持ってきて、明るい部屋で見ると埃にびっくり。箱を拭いて、中身を確認すると

「タイムカプセルみたいだね。イチーチがやってた時を思い出す。」

「うわ、懐かしい。僕最初25点とかだったよね。」

「そうそう、50点満点かと思ったよ。ニーニーも初めはそんなもんだと想うけど、10回分有るのを何回もやるんだよ。時間はちゃんと測ってきちんと採点してね。間違いはチェックして、解説見ても分からなかったらお兄ちゃんに相談しな。あと何度もやるから問題用紙に書き込まないこと。」

次男が神妙な顔で問題用紙を確認している脇で末っ子もパラパラ捲り

「あ!イチーチお兄ちゃんなんか書いてる!ダメじゃん」

「ホントだ。ごめん。でも何だかわかんないからいいじゃん。」

取り敢えず、問題用紙も解答解説も5教科10回セットちゃんとあった。


 次男は小学校から帰るとおやつをつまみながらまずは宿題。宿題の後はZ会の教材と、パズル等私が気に入ってポチった問題集(お兄ちゃんの使用後、書き込み無し)をやる。6時から夕飯で、食後は寝室にミニテーブルを持ち込んで一人で入試想定問題集に取り組む。9時には兄弟が寝始めるので居間に撤収。10時過ぎると「寝なさい」と注意されて就寝。

こんな感じの毎日。別に鬼気迫るという風ではないんだが、元々そんなに喋らないのが「受験生」という看板を背負っているだけで、なんか頑張ってる感が凄い。冷静に考えれば10時に寝かせて何言ってんだ、なんだけど。他所のお家の9時まで塾って話を聞くと、一体何時に寝るのと睡眠時間が気になる。


 私は、実は長男の中学受験は失敗すればいいと思っていた。いや、失敗しても良い、かな。応援したのも本当だから。しかし本人に言っていたように「高校受験の練習だから落ちてもいい」というより、この辺ででちょっと軽めの挫折を経験した方がいいと考えていたのも確か。幼稚園に行っている頃から「優秀」と褒められ続けて本人もちょっとテングになっているように感じていたし、失敗したところで本人の心情以外ノーダメージだから。受かっちゃったけど。


 次男には本当に合格してほしいと願った。自分で決めて努力した先の成功体験を得てほしいと。

正直言えば、別に勉強で競わなくてもよくね?と思う。次男は5年生で転入した小学校で和太鼓クラブに入り、お祭りやイベント出演などクラブ活動を頑張ったし、絵を描くのも好きだ。どうせなら好きな事で「勝った」ことにすればいいのに。とはいえ、決めたなら仕方ない。がんばれ。


 学校での個人面談では「附属ですねー」とあっさり、普通に受け入れられた。毎年何人も入ってるならこんなもんか。長男の時と全然違って、なんかラクだな。頑張ってね、くらいで特に何も言われなかった。

そういえば「調査書」についても何も聞かれなかったな。きっと聞かなくても書く事に事欠かなかったに違いない。


 12月になり、あっという間に受験当日。

住んでる賃貸マンションから附属中学までは徒歩7〜8分。何か忘れても取りに戻れる距離なので内履き忘れたって安心。とはいえ慌ててしまってはいけないので、お弁当と筆記用具、受験票と内履きと、しっかり確認してリュックに詰める。よし。長男から「面接では泣け」とアホなアドバイスで見送られた。


 正門まで行くと、またしても塾関係の人たちが鉢巻巻いて応援団みたいなパフォーマンスをしている。次男はお兄ちゃんの受験の日はお留守番だったので初見。びっくりしてそうなのにノーコメントだ。聞かれてないけど学習塾の関係者がね、と説明してしまったり。

「じゃあ行ってくるね」

「おう。頑張れ。」

長男の時は玄関まで行った気がするが、なぜか今回は門で見送り。みんなそう。まあそうだよね。


 帰りは迎えに行かないと言ってあったので普通に一人で帰ってきた。近いし。試験については「聞かないで」と言われ、何となくみんな「イマイチだったんだな」と感じていた。

「来週楽しみだね」くらいしか言えないよなー、と声をかけたがソレじゃなかったらしい。夫と長男に黙ってろみたいなことを言われた。


 翌週、合格発表の日。

 朝9時発表なので9時に次男と私で家を出た。近い。合格者の入学手続きは10時まで、その後の入学者説明会は10時10分からなので、待ち時間を考えると本当は9時半でもいいのだけれど、本人が早く行きたがるので仕方ない。まあ落ちてればすぐ帰れるしね。

 歩いている間も次男はほぼ無言。話しかけても「うん」とか「へー」しか返ってこないので私も黙る。

正門の通りまで出ると、次男と同じくらいの(泣いてる)子供と親らしき組み合わせが何組もこちらに向かって来る。合格者はそのまま説明会だから今帰ってくるのは不合格の子だけ。次男ますます黙る。うわー。


 あった!ありました「C12」。

先に見つけた私が黙って次男を見ていると、ボソッと

「あった。」と呟いた後振り返り、ニヤリ。「やったね!ニーニー!」とピースサインの次男をパシャリ。

その後の手続きや入学者説明会の事はよく覚えていない。校長先生が女性になっていた事くらいかな。


 合否は分かった時点で家に連絡してあるので帰った時には既にみんな知っているのだが、それでも「受かったよー」と帰る。「ニーニー凄いね、頑張ったね」とみんなで祝うが本人の反応は薄い。嬉しそうなんだけど、うっすら?

  

 受かってほしいと思っていたけど、実際受かるとちょっと意外に感じてしまうよねー。と後日の姉との会話。

「受けるっていうのもびっくりだったけど、受かると思わなかったわ。」

「附属はさ、教育大の研究サンプルだから、いろんなの集めてんじゃない?多様性枠かな。」

という話をしたんだよ、と聞かせた夫に

「そーいうことニーニーに言わないでね。」と言われた。

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