うーん、受験(長男の中学受験)
今、末っ子が受験生(高校受験)。「受験生、大変ですよねー!」と、よく知らない人が我が家に受験生がいる事を知ると大抵言われる。相手はよく知らない人なのでコレは単なる挨拶だと思われるが、正直何が大変なのかがよく分からない。面倒なことは多いし(私はとっても面倒くさがり屋さんなので)、受験生本人はもしかして内心大変なことになっているのかもしれないが、外からは計り知れない。
お兄ちゃん達は中学・高校・大学の受験を、末っ子も中学受験は経験している。どんなんだったっけ?
まずは長男の附属中受験。
長男が小学校6年生に進級するタイミングで夫の転勤があり、お隣の県からこちらの山間部へ転入。こちらの町では町村合併で複数の保育園、小学校、中学校を統合し、一つの学園が新設されていた。校区は広大で我が家はぎりぎり徒歩圏内だったのだが、もうちょっと離れるとスクールバス。徒歩40分は近い方ってことね。何が凄いって、車でちょっと遠出しても目に入る子どもはもれなく同窓生っていうのが、スゴイです。
この時長男6年生、次男4年生、三男保育園年長組。
いつ頃だったかな、「中学校どうしますか」的なお手紙が来て、地元の中学校に入学か他に受験して行くのかを決めるタイミング。既に長男は附属中受験の意志を固めていたのでその線で進み、
「うーん、こっち(県第二の都市にある同大学附属中学。比較的近い)はたまに行く生徒もいるんだけど、あっち(志望校。県庁所在地にある)は多分今までいないんじゃないかなー。こっちなら今の感じで入れると思うけど、あっちはなー。塾行かないと難しいと思いますねー。この辺の塾じゃダメですよ、街の方行かないと。」
とは個人面談での先生談。
やはり「塾は行きたくない」というので仕方なくネットで過去問を探すも、見つかったのは「想定問題集10回セット(5教科×10)49,800円」だけ。それをやりたいと言われ、抽選に当たるのを待っていた「私のPSVR貯金(ほぼ同額)」が消えた。
子ども達は塾には行ったことがないが、それぞれ小学校2年生から通信教育のZ会を受講している。それは夫の転勤で学校(わりと山とか、田舎の方が多い)を移動しつつも学習進度を一定に保つにはどうすればいいだろうと考えた結果の選択だ。
通信講座、そんなの真面目にやる奴いないよね。私も全然やらなかった。
しかし、なぜかうちの子達はバカみたいにちゃんとこなした。あ、もちろん三男は別。上の二人は高校入るまで毎月の課題全提出ではないだろうか。「やらせるぞ」と思って始めてみたけれど。「やりなさい」と言われて普通にやる我が子にびっくり。そういえば宿題もちゃんとやってたな。「宿題なんて授業前の休み時間にやればいいじゃーん」と囁く私に「ダメだよ」とか言っちゃって。
学校から帰るとまずおやつを要求。摘みながら宿題をし、終わるとZ会の教材3教科ほど。休憩して5時から夕ご飯まで、やり残した部分や各自でやりたい教材などやる。小学生のうちは夕食後は勉強していなかったが、6年生の秋以降はだんだん受験勉強をするようになる。で、10時くらいに就寝。そういえばこの時期お風呂掃除は次男がやってあげてたな。
「お勉強」と銘打って幼稚園に入る頃からやらせていたパズル(算数パズルなど)とZ会の教材、附属中入試想定問題集が中心で、あとは(私が気になって買っちゃった)参考書や問題集を気が向いた時にやる。内容はそんな感じ。でも生活自体はそれまでとほぼ変わらなかったように思う。休日はゲームしたり家族で出かけたりしてたし。
いよいよ受験が近づいてくると要項を確認して願書を出したり何だり、私が苦手な事務的な作業が求められる。これはまあ、「面倒だな」ってだけ。もっと辛い事があった。
受験に必要な手続きは全部各自でするわけだが、「調査書」だけは学校から作ってもらわなければならない。その調査書を作っているであろう担任の先生から夜電話があった。
「一君、何か在学中に頑張って取り組んでた事とかありますか?部活でも委員会活動でもいいんですけど。」
「え、いやぁ・・・」
「あ、じゃあ校外の活動でも大丈夫ですよ。習い事でコレ頑張ってますとか、特に興味を持って何かしているとか。」
何も思い当たる事が無く、辛くなった私は長男に投げた。「特に無いかと思いますが、一応本人に代わりますね。」
結局長男も「特に無いです。」
残業して、少しでも良い調査書で応援しようとしてくれているのがビシバシ伝わってくるのに、ウチの子が勉強以外何にも出来なくて申し訳ない、という気持ちでいっぱいになる。やっぱりバランスが大事よね。
勉強はするけどそれ以外の経験値がほとんど無くて、体力も無いし。無人島でサバイバルしたら多分私の方が生き残る気がする。ババアなのに。
あの時先生が作ってくれた調査書が読みたくて、「厳封」と印字された封筒を照明にかざしてみた。こっそり。もちろん見えるわけない。
いよいよ明日が入試という日、私と長男は附属中所在市で独り暮らしの姉のマンションにお泊まりだ。
持参のリュックをひっくり返して必要な物を確認する。
「内履き、筆記用具、受験票、あとはお弁当だけだね。」と、また詰め直す。
3人で楽しく夕食をいただく。ご飯をおかわりして食べる長男の様子を見て一安心し、長男はテストに、私と姉は翌日のお弁当に備えて早めに就寝した。
朝。お弁当を用意し、食事を済ませて準備万端。雪が降ったのでタクシーも呼んだ。いざ出陣。
車内で無口な長男の頬がほんのり赤いのが気になったが、ヒーターか?ヒーターだな、とやり過ごす。
附属中の校門前には揃いの鉢巻を巻いた大人が何人もずらっと並び(しかも何組も)、何やらエールを送っている。よく見ると鉢巻には塾の名前が書かれていた。なるほどー、塾ってこんな事までしてくれるのね。受ける方は嬉しいのか恥ずかしいのか、いや、嬉しそうだな。
さて、保護者も玄関までしか行けないが、「行ってきます」と言って背中を向けた長男が振り返る。?
「内履き忘れちゃった」あー、リュックにお弁当入れるのに一回出したもんね。
「その辺の先生っぽい人に可愛くお願いしなさい。」
彼は無事スリッパを借りて試験会場に向かった。




